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今月のいきもの: ツノホコリ
学名:Ceratiomyxa fruticulosa
ツノホコリ目 ツノホコリ科
生息地:日本各地
変形菌は単細胞生物ですが、大きなアメーバ細胞(変形体)を作り、キノコのような子実体を作るユニークな生き物です。その中でも、今回ご紹介をするツノホコリの仲間は、特にユニーク。子嚢(胞子がつまった袋状のもの)を作らず、子実体の表面から細い柄を出して、その先に胞子を1つ形成します。このような構造をした子実体は、担子菌類のそれに似ていることから、担子体とも呼ばれます。ツノホコリの担子体は、高さが1〜2㎜で、全体は白色か半透明。通常、変形菌の子実体は、胞子が形成される際に乾燥しますが、ツノホコリ類の担子体は、ゼラチン質で水分をふくんでいるため、みずみずしく見え、ガラスや氷細工のような美しさです。
シカの角のような形
ツノホコリの担子体は、シカの角のように1〜3回程度枝分かれをします。この形が、和名の由来です。ツノホコリは、春から秋にかけて、くちた木に群生します。担子体が黄色いタイプをキイロツノホコリと呼び、品種としてあつかわれることがあります。
みずみずしくて美しい、ツノホコリの仲間たち
ツノホコリと同じく、よく見つかる種類にエダナシツノホコリがあげられます。担子体は、円筒形で、頂部は丸くなっています。高さは1㎜程度で、全体は白色です。イソギンチャクの触手や、ムーミンに出てくるニョロニョロに似ています。またタマツノホコリも、よく見つかる種類です。担子体は、球形、または球形に似た形をしています。直径は1〜3㎜で、白色です。しばしば周りの担子体とくっつき、ハチの巣状、あるいはサンゴ状になります。担子体が黄色いタイプは、キイロタマツノホコリと呼び、品種としてあつかわれることがあります。
こうしたツノホコリの仲間の担子体は、乾燥させると縮んでしまうため、野外でみずみずしいツノホコリの仲間を見つけたら、ぜひルーペや虫眼鏡で観察してみてください!その造形美にうっとりしますよ。
当館では、令和5年11月21日(火)から12月28日(木)まで、日本新産や和歌山県新産の変形菌を紹介する予定です。ぜひご来館ください。
タマツノホコリ
エダナシツノホコリ
和歌山県立自然博物館ニュース
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写真提供・協力・監修:和歌山県立自然博物館
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