【京都大学白浜水族館だより】モノを加工することができる「カイカムリ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2022.05.09

【京都大学白浜水族館だより】モノを加工することができる「カイカムリ」

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カイカムリ

学名:Lauridromia dehaani
十脚目 カイカムリ科
生息地:北海道南西部以南など

背中にカイメンやホヤなどを背負って暮らしており、それらを自分の好きなサイズに加工することが分かっています。

物を背負うための 独特な身体

多くのカニの仲間は、1対のハサミ足と4対の歩くための足を持っており、体に対して平行に生えています。また、歩くための足にハサミは付いていません。

しかし、カイカムリの仲間は、背中に物を背負うため、他のカニとは異なる特徴を持っています。まず、歩くための足のうち3番目と4番目が体の横側ではなく、後ろ側を向くような作りになっています。さらに、その先端はハサミ状になっており、これでさまざまな物をつかむことができるのです。


足の先端がハサミ状になっている

物を加工することが できるカイカムリ

野生のカイカムリは、カイメンやホヤといった、海の中で岩などにくっついて暮らしている生き物をはがし背負っています。しかし、背負うのは海の生き物だけではありません。

水槽内で食器洗い用のスポンジをあたえると、それを背負ってくれることがあるのです。この際、スポンジが自分の体よりあまりに大きければ、ハサミ足を使ってスポンジをちぎり、自分の好きなサイズに加工します。

また、自分の背中の丸みに合わせて、スポンジにくぼみをほることもあります。カイカムリは、自分が背負う物を自分の体の大きさに合わせて加工することができる、ちょっと変わったカニなのです。


スポンジを背負ったカイカムリ

京都大学白浜水族館ニュース

水族館のいそ採集体験

5月14日(土)9時半~11時半・7月2日(土)13時半~15時半に当館裏のいそで、生き物を採集します。飼育スタッフが同行しているため、採集した生き物はその場で名前を調べて記録できます。

参加者には、オリジナルガイドブック「白浜の海岸生物観察ガイド」を進呈。小学生以上の方・20名限定です。 ※緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が適用されている地域からの参加はご遠慮ください。


写真提供:京都大学白浜水族館

京都大学白浜水族館
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459
TEL 0739-42-3515
http://www.seto.kyoto-u.ac.jp/aquarium/index.html

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エコチル編集部

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