【釧路市動物園だより】森林伐採などによる生息環境の悪化で絶滅の危機にある「アムールトラ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2022.05.09

【釧路市動物園だより】森林伐採などによる生息環境の悪化で絶滅の危機にある「アムールトラ」

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釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

アムールトラ

食肉目 ネコ科
【生息地】極東アジアから 南アジアまで

釧路市動物園では、オス1頭、メス3頭を飼育しています。

絶滅の危機

トラは極東アジアから南アジアにかけて広く生息し、地域によって9つの亜種に分かれます。その中でもアムールトラは最も北に生息し、体が最も大きいです。寒さに強いアムールトラは釧路の寒さでも元気に過ごし、雪が降った日は雪浴びをして遊ぶ姿が見られます。

アムールトラは漢方や毛皮などを目的とした乱獲や、森林伐採などによる生息環境の悪化で絶滅の危機にあり、現在は約600頭といわれています。飼育している希少な動物たちは、全国の動物園で個体の血統を登録して情報を共有し、動物たちのペアを調整して、血統がかたよらないようにしています。

生まれたばかりの赤ちゃん

国内最高齢のチョコ

釧路市動物園のメスのチョコは、現在生存している中で国内最高齢の17才。昔、チョコとリングの間に、3頭の赤ちゃんが生まれました。チョコにとっては初めての出産でしたが、赤ちゃんをなめたり、おっぱいをあげたりする様子がありませんでした。飼育員と獣医師で判断し、赤ちゃんを取り上げると、体が冷えて仮死状態でした。すぐにお湯で温めましたが、1頭は死んでしまい、残った2頭には足に障がいがありました。2頭はタイガとココアと名付けられ、飼育員は一生懸命に育てましたが、タイガは約1年後に死んでしまいました。

何年生きられるか分からないと思われていたココアでしたが、今年で14才。人間に例えると40~50才くらいです。足に負担をかけられないので、太らないようにえさの量を調整しています。体重は60 kgほどと体が小さいので、子どものトラとまちがわれることも少なくありません。障がいのあるココアが、飼育員たちの助けもあって一生懸命生きる姿が、釧路市内の小学4年生の道徳の教科書にも登場しています。そんなココアに、ぜひ会いに来てくださいね。

今年で14才のココア

 

くしろニュース

アムールトラ「ココア」のお誕生会を開催

5月24日(火)に14才をむかえるココアのお誕生会を行います。飼育員が作った特別お肉ケーキや、お客様から頂いたおもちゃのプレゼントをおくる様子をSNSやホームページでお伝えします。記念カードのダウンロードができるようにするなど、ココアのお祝いをするのでお楽しみに!

>>> くわしくは「釧路動物園」

 

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの 質問に答えるよ!

質問

動物園でライオンは何を食べますか?

答え

牛肉(骨付き・骨なし)や馬肉、シカ肉をあげています。ニワトリの頭をあげるときもあります。毛づくろいのときに、飲みこんでしまった毛がつまって、お腹が痛くなることがあるので、毛球をはき出しやすいようにネコ用の草もあたえています。

 


協力・監修/釧路市動物園
釧路市阿寒町下仁々志別11番
TEL. 0154-56-2121
https://www.city.kushiro.lg.jp/zoo

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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