【円山動物園だより】北海道に暮らす美しいツル「タンチョウ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
札幌
動物園だより
2022.02.14

【円山動物園だより】北海道に暮らす美しいツル「タンチョウ」

目次 [非表示]

円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

今月のどうぶつ:タンチョウ

ツル目/ツル科
【生息地】北海道、ユーラシア大陸

円山動物園にはオスが1羽います。

>>> 動画はこちらから

北海道に暮らす美しいツル

国の特別天然記念物に指定されているタンチョウは、国内の鳥の中で一番大きく、体長は約140cm、つばさを広げると240cmにもなります。乱獲や環境破壊などにより、一時期は絶滅のおそれがありました。しかし、保護活動により現在では1600羽ほどが、北海道の主に釧路湿原で暮らしています。

赤い頭が特徴で、「丹(赤い)頂(てっぺん)」からタンチョウと名付けられました。赤い部分は、羽ではなく皮ふの色です。ボツボツと細かいイボのようなものが集まっていて、皮ふの下の血液がすけて赤く見えます。生まれたばかりのひなは、体全体がうすい茶色の羽でおおわれており、頭も赤くありません。1年ぐらいすると頭の羽がぬけて赤い皮ふが現れ、大人のタンチョウになります。

3~10月の繁殖期になると、オスがつばさを広げて上下にはねながらメスにアピールをします。メスがそれに応えて同じようにはねると、カップルの誕生。まるでダンスをおどっているような美しい求愛行動が見られます。

つばさを広げると横幅は約240cm!

赤い頭で健康や精神状態をチェック

円山動物園には、オスの十兵衛(23才)がいます。頭の赤い皮ふを見れば、健康状態が確認できます。体調が悪いと、赤色のあざやかさがなくなり橙色になるからです。また、興奮すると赤い皮ふが頭の後ろの方まで広がります。十兵衛は、冬でもプールで水浴びをして羽をきれいにしたり、雪をプールに落として食べたりしています。ぜひ観察してみてくださいね。

血液の色がすけて見える頭の赤い皮ふ

 

2年に一度、羽が生えかわります

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

冬の間は動物園の動物たちはどうやって生活しているの?

答え

例えばゾウは、野生では1年中暖かい所で暮らしているため寒さは苦手です。動物園では屋内で暖かく、外と同じように水浴びなどもできる環境で快適に過ごしています。反対にニホンザルは、雪が積もるような寒い所でも生息しているため、冬でもほぼ屋外で過ごします。秋に脂肪をたっぷりたくわえて、暖かい冬毛に生え変わることで冬に備えています。また、団子のように複数で身を寄せ合って厳しい寒さをしのぎます。


札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1
TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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