【エコチル特集】もうすぐ水素社会がやって来る⁉次世代エネルギー「水素」を知ろう|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
長野
特集
2024.02.13

【エコチル特集】もうすぐ水素社会がやって来る⁉次世代エネルギー「水素」を知ろう

目次 [非表示]

水素は、持続可能な社会をつくるためのエネルギーとして注目されているよ。今回は水素の特徴や、水素社会に向けた取り組みについて知り、水素のことを学ぼう。

水素はクリーンなエネルギー

今、次世代エネルギーとして注目されている「水素」。水素は、水の元になる物質で、都市ガスや廃棄されたプラスチックなどさまざまな材料にふくまれているよ。図1にあるように、水素が酸素と結び付くと、電気と水が発生するんだ。水素エネルギーは、この水素の性質を活かしてエネルギーとして利用するもの。電気をつくる過程でCO₂を排出せず、出るのは水だけなので、クリーンなエネルギーなんだよ。

日本は、2050年までに、CO₂など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするゼロカーボンの実現を目指しているよ。その実現のために、CO₂を排出しない水素エネルギーは、欠かせない存在なんだ。水素を身近なエネルギーとして活用する「水素社会」に向けて、日本各地で取り組みがスタートしているよ。

水素でゼロカーボンを実現

みんなは街で、FCVという言葉を見かけたことはあるかな?FCVとは、水素で走る「燃料電池自動車」のこと。その他にも、燃料電池バス(FCバス)や、燃料電池フォークリフトなど、水素で走る車が使われ始めているよ。さらに、燃料電池自動車に水素を供給する「水素ステーション」も日本各地で作られている。長野県でも川中島に水素ステーションができるなど、みんなの周りでも水素エネルギーが活躍しているんだ。

水素エネルギーをもっと身近なものとして広めるためには、課題も多くあるよ。私たちが普段の暮らしで「使う」機会を増やしながら、水素をどうやって「つくる」か、どうやって「運ぶ」か、という全体の流れを考えていくことが必要なんだ。そのために、国や自治体、企業では、技術開発や取り組みに力を入れているんだよ。ゼロカーボンを実現し、社会を持続可能にするために、水素社会に向けて動き出しているんだ。

図1
燃料電池のしくみ

水素と酸素が結び付くことで、電気が発生。この過程で発生するのは水だけ。

引用:環境省「まちで『水素』をみかけたら?」

なぜ水素を使うの? 水素を使うメリット

1.使うときにCO₂を出さない
水素をエネルギーとして使ったときに、地球温暖化の原因となるCO₂が出ないよ。今はまだ、水素をつくるときや運ぶときにCO₂を排出しているので、減らすことができれば脱炭素なエネルギーにできるんだ。

2.身近な物からつくれる
さまざまな材料にふくまれている水素。水を電気分解することでもつくることができるよ。太陽光発電など再生可能エネルギーを使えば、水素をつくる段階でCO₂を大きく減らすことができるんだ。

3.さまざまな形で貯められる
一般的に、電気は貯めたり長距離を運んだりすることが難しいけど、水素だと貯めておくことができるんだ。水素を貯めておけば、災害時など電気が足りないときに水素を取り出してエネルギーとして使えるんだよ。

参考:環境省「まちで『水素』をみかけたら?」

長野県初の水素ステーション
「川中島水素ステーション」

「川中島水素ステーション」は、2019年4月に始まり、水素を活用した実証実験を行う、県内で初めて整備された施設。水力発電の電力と川中島の地下水という再生可能エネルギーから水素をつくっていることも特徴なんだ。

県庁に燃料電池自動車(FCV)を導入

「川中島水素ステーション」でつくられた水素を使って走る燃料電池自動車(FCV)が、県庁に公用車として導入されているよ。また、災害時などには、燃料電池自動車から外部給電器を介して電気を取り出すと、水素が満タンの場合、一般家庭の約1週間分の電気をまかなうことも可能なんだ。


水素と空気中の酸素から発生させた電気で、モーターを回して走行するよ


監修:佐久地域振興局

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3