【エコチル特集】日本中で増えている放任竹林って何が問題なの?|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
特集
2024.02.05

【エコチル特集】日本中で増えている放任竹林って何が問題なの?

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今、ほったらかしにされた竹林が、日本中で増えている。竹は、ぐんぐんのびる成長の速さが大きな特徴。竹がほったらかしにされると、何が起こるんだろう? 今回は、その問題点と解決するための取り組みについて知ろう。

放任竹林って何だろう?

「放任竹林」とは、手入れされずに放置(ほったらかしに)された竹林のこと。今、日本中で、放任竹林が増えて問題になっているよ。その理由は、竹が使われなくなって、人が竹林を手入れしなくなったからなんだ。

かつて竹は、食べ物であるタケノコをはじめ、笛や七夕飾り、食器など、さまざまな物に使われてきたよ。でも、プラスチック製品が広まり、海外から安い竹材やタケノコが輸入されるようになると、日本の竹を使う機会が減ってしまい、ほったらかしにされた竹林が増えてしまったんだ。

人も生き物も困る問題点

竹は1日でどれくらい大きくなると思う? 最も成長する夏に、1日で100㎝のびたという記録があるよ。例えば木の場合、100㎝成長するには、早くて1年、おそいと10年はかかるといわれていることから、竹は成長がとても早い植物だということが分かるね。

人が手入れをしない放任竹林では、竹はぐんぐん成長して、あっという間に木よりも大きくなるよ。そうすると太陽の光が入って来なくなるから、木がかれてしまうんだ。草木も生えないから、動物や虫もすめなくなってしまうんだよ。さらに、太陽の光が入らない竹林の竹は、弱くてもろいため、雨や風でたおれやすく、土砂災害も起こりやすくなる。つまり、私たちの暮らしにも影響がおよんでしまうんだ。

静岡市でも、谷津山地区などで放任竹林が増えていて、たくさんの里山保全団体が、放任竹林を整備してくれているよ。また、竹を利用する機会を増やし、新たな使い方を作り出すことで、放任竹林の解決に向けた取り組みも始まっているよ。

放任竹林は、身近な所で起きている問題。地元の竹で作られた食材や製品を選んだり、地元のタケノコをほりに行ったりするなど、できることはいろいろあるよ。みんなで放任竹林の問題に取り組もう。

ほったらかしにされるとどうなるの?

1.竹は根がどんどんのびて、あっという間に大きくなる

2.木よりも竹が大きくなる

3.太陽の光が入らず、木や植物がかれてしまう

4.太陽の光が入らない竹だけの場所では、生き物がすみにくくなる

あれた竹林を手入れして再生! ボランティア団体の活動

放任竹林を元気な姿に再生しようと、静岡市内では50をこえる里山保全団体がボランティアとして活動し、手入れしているよ。谷津山地区をはじめ市内の多くの竹林が再生されてきたけど、今、里山保全団体では、高齢化や担い手不足、資金不足などで活動が難しくなっているんだ。

静岡市では、竹林の手入れを体験できる「竹林整備隊」を開催したり、竹林を整備するボランティア団体に補助金を出したりしているよ。


竹を切る他に、枝を落とし、切った竹を処分するなどたくさんの作業があるよ

「知ろう!学ぼう!~竹のもんだい~」を公開

静岡市では、放任竹林の問題を学べる動画を公開しているよ。ぜひチェックしてみてね。

>>>Youtube静岡市公式アカウントのサイトで見ることができるよ

使うことで、放任竹林を減らそう!

竹をたくさん使えば、竹林で人が手入れする機会が増えるよ。
つまり、放任竹林を減らすことができるんだ。
ここでは、静岡市で始まっている新しい取り組みを紹介するよ。

「竹粉」を生ごみ処理に活用
静岡市沼上資源循環学習プラザでは、竹を細かくくだいた竹粉を使い、生ごみを分解して堆肥化する取り組みを実施している。生ごみの減量にもなるよ。

おこわをつめる「竹筒」に活用
かり取った後の竹から竹筒を作り、容器として利用。大五うなぎ工房では、竹筒におこわ飯をつめて販売しているよ。

「メンマ」に加工
季咲亭では、約2mの幼竹からメンマを作り、地元の竹を使った「静岡めんま」として販売しているよ。

路面を舗装する「竹チップ」として利用
竹をくだいて乾燥させた「竹チップ」を、清水区にある道の駅「トライアルパーク蒲原」の園路にしきつめて舗装しているよ。

 

「竹林整備隊」に参加しよう
市内で活動するボランティア団体といっしょに、竹林の手入れを体験できる「竹林警備隊」を実施しているよ。

>>>くわしくは静岡市のサイトをチェック!


監修:静岡市 環境共生課

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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