【円山動物園だより】速く泳げる体の秘密「ゴマフアザラシ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
札幌
動物園だより
2021.12.13

【円山動物園だより】速く泳げる体の秘密「ゴマフアザラシ」

目次 [非表示]

円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

今月のどうぶつ:ゴマフアザラシ

ネコ目/アザラシ科
【生息地】 アラスカから北海道まで

円山動物園にはオス1頭とメス2頭がいます。

速く泳げる体の秘密

ゴマ模様が特徴のゴマフアザラシは、毎年冬になるとロシアから流氷とともに北海道にやって来ます。出産するのも、子育てするのも流氷の上。生まれたばかりの赤ちゃんの体重は7~13㎏ほどで、体を温かく包むホワイトコートと呼ばれる白い産毛におおわれています。2~4週間、流氷の上でお母さんのおっぱいを飲んで育ち、その間にゴマ模様の毛に生え変わります。

1年に一度、毛が生え変わります

大きくなると、1日のほとんどを水中で過ごします。50%以上もある体脂肪が体を温かく保つので、冷たい海の中や氷の上でも平気です。体は水の抵抗を受けにくいなめらかな流線形で、前足は体にくっつけて、後ろ足を左右交互に使いながら自由自在に泳ぎます。鼻と耳の穴を閉じ、肺から空気を出して、海の深くまで約20分ももぐることができます。

ヒゲは感覚がするどく、水の流れから獲物の動きを感じ取り、魚やタコ、イカなどをつかまえて丸飲みします。

健康な歯のために歯みがき中

毎日の健康チェック

円山動物園では、ホッケやオオナゴなどの魚をあたえながら、けがをしていないかなどの健康チェックができるように、トレーニングをしています。足を出させたり、体をなでたりするのは遊んでいるのではありません。また、人と同じく歯肉炎になることがあるので、口の中の健康を保つために、毎日歯みがきをしています。

朝、昼、夕方の1日3回えさの時間があるので、ぜひ近くで観察してみてくださいね。

お母さんのおっぱいが飲みやすいようにくぼんだ舌先

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

暗闇でもよく見える動物の目は、人間の目とはどうちがうの?

答え

暗闇の中で動物の目がキラッと光るのを見たことはありますか?夜行性の動物の目には、光を感じる網膜の後ろに「タペタム」と呼ばれる反射板の役割を持った層があります。光を「タペタム」で反射させることにより、もう一度網膜に送り返しています。この仕組みにより、光の少ない所でも見えるので、暗い中でも活動できます。目が光って見えるのは、「タペタム」に反射した光が見えているからです。


札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1
TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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