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2026.09.25

人と環境にやさしい東急電鉄、エコチルとの連携で子どもたちの未来を応援

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東京の城南エリアや神奈川の横浜、川崎などで鉄道路線を持つ東急電鉄株式会社。首都圏の「住みたい沿線」で常に上位にランクインする同社が今、力を入れているのが環境への取り組みです。CO2の排出量が少ないなど「乗るだけで環境にやさしい移動につながる鉄道」をアピールしようと、エコチルと連携した企画「こども記者クラブ」をスタート。子どもたちに環境への意識を高めてもらうとともに、東急電鉄への愛着を持ってもらおうと、未来を見据えた活動を進めています。

渋沢栄一から始まった
「まちづくりのDNA」
街と人の暮らしを支えてきた歴史


田園都市株式会社によって開発された田園調布エリア(1932年撮影) 提供:東急(株)

東急電鉄のルーツは1918年創設の田園都市株式会社。設立の中心人物は、今の一万円札に肖像が描かれている渋沢栄一です。当時、東京の中心部は人口が増加し、過密な状態になっていました。こうした社会課題の解決策として渋沢が打ち出したのが田園都市開発です。現在の品川区や大田区などにあたる荏原郡(当時)で大規模な宅地開発を行い、都心部に集中していた人口を移動させようと考えたのです。今では高級住宅街の代名詞ともなった田園調布エリアもこのときに整備されました。

そして、地域住民の交通手段として鉄道が敷かれました。事業を行ったのは、田園都市株式会社の子会社として設立された目黒蒲田電鉄。東急電鉄の前身です。1923年に目黒と蒲田を結ぶ目蒲線(現在の目黒線の一部と東急多摩川線)が開業し、その後、東横線など路線網を広げていきました。

「社会課題の解決から誕生した東急電鉄には『まちづくりのDNA』が受け継がれています」と話すのは広報・マーケティング部広報CS課長の勝間田裕さん。そして同社が取り組んでいるSDGsも「その成り立ちの延長線上にあります」と勝間田さんは強調しました。

駅舎の「木になるリニューアル」が進行中
全路線で「再エネ由来電力100%」

「木になるリニューアル」で温かみのある駅舎へと生まれ変わった戸越銀座駅|提供:東急電鉄(株)

鉄道・バスのほか不動産や生活サービス事業、ホテル・リゾート事業を展開する東急グループ全体がSDGsの目標達成に向けてさまざまな取り組みを進めるなか、東急電鉄がとくに力を入れるのが環境関連です。一度に多くの人を輸送できる鉄道はマイカーなど他の交通機関に比べてCO2の排出量がとても少なくなります。こうした「環境にやさしい乗り物」をいっそうアピールしようとCO2削減に向けた活動を進めています。

そのひとつが「ソーシャルウッドプロジェクト」。駅舎など各施設に多くの木材を使うことでCO2削減につながる森林資源の循環を進めようというものです。駅舎が古くなっている池上線(五反田-蒲田)では、「木になるリニューアル」と題し、木材をふんだんに使った改修が順次実施。これまでに戸越銀座駅(品川区)など3駅が木材を活用した温かみのある駅舎へと生まれ変わり、千鳥町駅(大田区)などで工事が行われています。

また、車両を動かすのに必要な電力を再生可能エネルギー由来のものに置き換えることを進め、2022年4月には東急線全路線での運行にかかる電力をすべて再生可能エネルギー由来とし、CO2排出実質ゼロを実現しました。再生エネルギー由来の電力100%にて全路線を運行するのは日本初の取り組みです。

キッズパス、サッカー大会で
子どもたちを応援
子育て世帯にやさしい駅づくり

2026年に開催された沿線小学生サッカー大会|提供:東急電鉄(株)

環境だけではありません。「人へ、街へ、未来へ。」とのスローガンを掲げる東急電鉄は、未来を担う子どもたちも応援しています。たとえば小児を対象にした「東急線キッズパス」は、100円で東急線全線が1日乗り降り自由になる土休日限定(2026年の夏休み期間中は平日も)の企画乗車券です。

また2025年からは東急SレイエスFCと共同で沿線小学生サッカー大会を開催しています。サッカーを通じた子どもたちのすこやかな成長を目指すとともに、保護者を含め、東急電鉄への親しみを持ってもらいたいというのが狙いです。

「子どもたちにとって住みやすい街は多くの人にとっても住みやすい街です」と話すのは広報を担当する奈良ひとみさん。そして「ベビーカーをご利用のお客さまにも安心して利用できるよう、駅施設のバリアフリー化を進めてきました」とPR。エレベータやスロープ、さらにベビーベッドを備えた多機能トイレなど、子育て世帯にもやさしい駅になっています。

エコチルで取り組みを情報発信
「愛着を持って欲しい」

東急電鉄の車両は「人と環境にやさしい車両」をコンセプトに開発|提供:東急電鉄(株)

このように環境や子どもたちの未来を考える東急電鉄ですが、一方で「こうした活動をどうしたら広く伝えられるか」という悩みがありました。そこで注目したのがエコチルでした。同社広報の責任者がエコチルを発行するアドバコムとつながりがあり、両社の連携へと発展しました。

「エコチルは当社の沿線にある多くの公立小学校で配布されていて、内容は環境問題。SDGsの取り組みをPRするのにぴったり。小学生だけでなく、その保護者や学校の先生など大人にも情報を発信できます」と勝間田さん。また、広報担当の髙橋紅美さんは「環境というテーマは子育て世代の関心とも親和性が高いと感じています。家に持ち帰った紙面を見て親子間の会話が生まれるという効果もあります。エコチルで当社のことを多くの人たちに知ってもらい、『東急電鉄っていいなあ』という愛着を持ってほしい」と話していました。

沿線の小学生が現場を取材する
「こども記者クラブ」
紙面とポスターで紹介、第3回は定員6人に348人が応募

駅構内や電車内に掲示された「こども記者クラブ」のポスター|提供:東急電鉄(株)

東急電鉄とエコチルの連携で始まったのが「こども記者クラブ」。沿線の小学生を対象に、東急電鉄の取り組みを実際に現場で見てもらい、レポートにしてもらおうというもので、2026年1月に第1回と第2回を開催。各回とも約250人の応募があり、抽選で選ばれた6人が参加しました。

初回は「木になるリニューアル」で駅舎が改修された池上線旗の台駅(品川区)で取材。同駅では、東京・多摩地区の木材を使ってホーム屋根の建て替えや待合室の改修を行いました。また、利用者から復活の要望が多かったホームの長い木製ベンチについて、元の素材をできるかぎり残して復元しています。2回目の取材先は電車の点検や整備を行う元住吉検車区(川崎市)。「人と環境にやさしい車両」をコンセプトとしてバリアフリーや省エネを向上させた車両を見学しました。

各回ともエコチル(東京版など)が当日の様子と「こども記者」のレポートを伝えました。「人がたくさんあつまる駅を使って環境にいいことを発信していて、素敵な会社だなと思いました」(第1回参加者)、「普段乗っている電車にいろんな秘密があることがわかりました」(第2回参加者)などといった感想が掲載されました。

エコチルのほか東急電鉄の車内ポスターなどで「こども記者クラブ」が紹介されたこともあってか、武蔵小杉駅(川崎市)で2026年7月開催の第3回では、6人の定員に348人の応募が集まりました。東横線と目黒線の電車が数多く発着する同駅で参加者はホームでのアナウンス案内や発車の合図など駅係員の仕事を体験しました。

電車に乗って社会課題への興味を
主体性を持ち、環境を自分ごととして考えられる大人に

エコチルに掲載された「こども記者クラブ」第3回の取材報告

「理想のまちづくり」を目指して100年以上前に誕生した東急電鉄。「まちづくりのDNA」は今、環境対策などSDGsへの積極的な取り組みという形で受け継がれています。エコチルとの連携を含め、環境にやさしい鉄道を引き続きアピールしていく考えで、勝間田さんは「電車に乗るなど鉄道に触れることが社会課題に興味を持つきっかけになればうれしい。子どもたちには、イベント参加などの体験を通じて東急電鉄への愛着と親近感を育んでほしいです」と話していました。

また、奈良さんは「子どもたちには、自分で考え、気づき、行動するという主体性を持った大人に成長してほしいし、環境問題や地域とのつながりを自分ごとととらえ、まちや社会に関わっていってほしい」と、髙橋さんは「ハードルが高いと感じがちな環境問題に対し、かまえることなく理解を深めてほしい。環境に配慮した行動を自然に選択できる大人になってほしい」と、ともに小学生の子どもを持つ母親の目線を交えながら話していました。

この記事を書いた人WRITER
原口 和久(はらぐち・かずひさ)

エコチル特別記者、元産経新聞記者。産経新聞では企業や役所、警察などを取材し、1面や経済面、社会面に記事を書きました。そのあと中小機構(中小企業を応援する国の機関)では全国各地の中小企業を取材。2児の父親。子どもたちの幼稚園、小学校時代は運動会などの行事にはほぼ欠かさず足を運びました。趣味は50代で始めたピアノ。全然上手ではありません。

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