全国
その他
2026.06.22

ロケットだけじゃない宇宙のお仕事 HOKKAIDO SPACE SUMMIT SAPPORO LINK 2026 開催

目次 [非表示]

2026年6月2日(火)、ホテルニューオータニイン札幌において、全国各地から宇宙関連企業が集まり、意見を交換し合う「HOKKAIDO SPACE SUMMIT SAPPORO LINK 2026」が開催されました。
半導体やAI、宇宙といった次世代産業は世界中で発展を続けており、北海道でも、宇宙に関わる企業の動きが活発になってきています。なかでも宇宙分野は道東エリアが中心で進んでおり、その宇宙産業の動きや熱意を札幌にもつなげたいという思いから今回のサミットが開催されたそうです。
この記事では、サミットで行われた講演の一部を紹介します。

はじめに、サミットの主催者であるSPACE COTAN株式会社 社長の小田切 義憲さんが登壇しました。
北海道の東部にある大樹町では、1998年から宇宙産業に取り組んでおり、現在、インターステラテクノロジズ株式会社のロケット「ZERO」(全長30メートル超)の打ち上げが行われる予定の発射場整備を進めています。
現在、日本では3地域4カ所にロケットの発射場がありますが、北海道にある発射場の強みは

  1. ロケット打上げに適した方角である東と南に海が広がっている
  2. 周りに広い土地があるため、発射場を増やすことや、大きくすることができる
  3. 飛行機や船の通りが少ないため、ロケット打上げの予定を立てやすい
  4. 晴れの日が多く、ロケットを打ち上げやすい
  5. 街から近くて行きやすい

の5つあるそうです。
小田切さんはこの強みを活かし、宇宙都市モデルをつくるべく、地元の方々とも連携して北海道の宇宙産業を育てていきたいと述べていました。

セッション1「宇宙輸送」

提供:SPACE COTAN株式会社

これから日本では宇宙を活用する企業が増えていくと予想されますが、そのためには「宇宙に物を届ける土台がなくてはならない」というテーマから講演が始まりました。

登壇者の1人である小谷 将太さんが勤めているインターステラテクノロジズ株式会社では、7回観測ロケットを打ち上げた中で3回宇宙空間に到達し、民間で開発したロケットでは日本で初めて宇宙に到達したという実績があるそうです。
主催者である小田切さんの話にも出てきた『ZERO』というロケットは、インターステラテクノロジズ株式会社が製作しており、ロケットをつくるにあたり、一番にエンジン開発を始めたそうです。
ポンプでたくさんの量の燃料を送らなければいけないので、燃料の温度は数千度にも達し、その温度にも耐えうる特殊な加工が必要だったため、製作が難しかったとのことです。
また、同じく登壇者の1人である株式会社IDDKの上野 宗一郎さんは会社の取り組みの1つとして「宇宙を使った種苗開発」のお話をされていました。
宇宙空間に種や麹・酵母を持っていくと、地上では起こらない変化を遂げ、さらにおいしくなったりする可能性があるとのことで、宇宙はロケットや衛星だけではなく、食文化にも参入できると述べていました。

宇宙輸送サービスが実現すれば、宇宙の活用できる幅が広がるので、北海道から新しい産業を盛り上げていきたいそうです。

スペシャルピッチ

「人工衛星をつくることだけが宇宙産業ではありません」というHIREC株式会社 上森 規光さんの言葉から始まったこのスペシャルピッチは、人工衛星から送られてくるデータを活用して地域の課題を見つけ、暮らしをもっと便利にする取り組みが紹介されました。

情報を集める機械「IoTセンサー」と人工衛星を使った、クマを見つけるための取り組みも北海道で進められているそうです。

今後は、活動範囲を札幌市から北海道全体へ広げて「北海道民衛星」の実現を目指し、北海道から人工衛星を打ち上げ、十勝地域の宇宙産業とも連携しながら北海道全体の宇宙産業を盛り上げていく計画です。

また、「宇宙で何をつくるか」ではなく「宇宙を使って地域課題をどう解決するか」が大切だと語られました。ヒグマ対策や除雪など、北海道ならではの課題を宇宙技術で解決しようという挑戦が進められています。

セッション2 「宇宙利活用・周辺産業」

提供:SPACE COTAN株式会社

株式会社岩谷技研 岩谷 圭介さん、株式会社JTB 佐藤 憲一さん、日本航空株式会社 東島 誠さんの3社が登壇し、「宇宙利活用・周辺産業」をテーマに、岩谷技研が中心となって進める「オープンユニバースプロジェクト」が紹介されました。

このプロジェクトでは、気球で高度約20kmの成層圏まで上昇し、宇宙に近い景色を安全に体験できるサービスの実現を目指しているそうです。

現在は、岩谷技研が宇宙遊覧技術、JTBが旅行プランや体験づくり、日本航空(JAL)が安全な運航・運用として担当し、それぞれの得意を生かして「事業化・商業化」に取り組んでいます。

また、「ニアスペース」という言葉も紹介されました。
「ニアスペース」とは、宇宙空間より少し手前にある高度20~30kmの成層圏領域のことです。宇宙より圧倒的に低コストで、観測・防災・観光などたくさんの活用方法があります。

さらに、「宇宙産業はロケットや人工衛星をつくる企業だけのものではない」と紹介され、観光や宿泊、教育など、あらゆる業界に参加できる機会があります。北海道は、広い土地や宇宙関連施設など恵まれており、新しい宇宙産業の中心を支える可能性を持っているそうです。

今回の「HOKKAIDO SPACE SUMMIT」では、ロケットや人工衛星をつくるだけでなく、人工衛星のデータを活用したり、宇宙旅行を実現したりと、宇宙産業にはさまざまな可能性があることが紹介されました。
北海道は広い土地や宇宙港などの恵まれた環境を生かし、宇宙産業の新たな拠点として注目されています。
また、ヒグマ対策や防災、観光など私たちの暮らしに身近な課題を宇宙技術で解決しようとする取り組みも進められています。
宇宙は特別な人だけのものではなく、さまざまな仕事や地域とつながる身近な存在になりつつあります。
北海道から始まる新しい宇宙の挑戦が、これからどのように広がっていくのか、みなさんもぜひ注目してみてください。

>>> HOKKAIDO SPACE SUMMIT

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3