【京都市動物園だより】「イチモンジタナゴ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
京都
動物園だより
2021.11.02

【京都市動物園だより】「イチモンジタナゴ」

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イチモンジタナゴ

学名:Acheilognathus cyanostigma
コイ目 コイ科
生息地:日本固有種で東海地方から西の湖沼や河川

繁殖期(4〜8月)の大人のオスは体にピンク色の「婚姻色」(写真左)、鼻先に「追星」というニキビのようなポツポツ(写真右)が現れます。

貝の中に卵を産む⁈不思議でめずらしい魚

体に一文字の青い線があることから、この名でよばれるイチモンジタナゴ。昔は湖や川、農業用水などの流れのおだやかな所でよく見ることができました。

体長約8㎝、小さくて一見地味なこの魚には、とてもめずらしい習性があります。子孫を残すとき、同じ水辺にすむ二枚貝(ドブガイなど)の中に、卵を産みつけるのです。卵は貝のえらの中で受精・ふ化し、稚魚は成長すると貝の外へ出ていきます。

一人立ちできるまでの間、安全な貝の体内で共生し、外敵から守ってもらうのですね。そんなイチモンジタナゴは成魚になってもこわがりで、動物園では石のかげなどにかくれていることが多いです。おどろかさないよう、静かに見守ってあげてくださいね。

メスは、お腹から長い産卵管をのばし、貝の中に差しこんで卵を産みます

琵琶湖水系の希少種をみんなで絶滅から守ろう!

みなさんがよく知る琵琶湖にも、40年ほど前まではイチモンジタナゴがたくさんいました。都市化や河川改修で生息地を失い、また観賞魚として大量に取られたり、外来魚に食べられたりして、現在は京都府の絶滅寸前種となってしまいました。

この希少種を守るには、卵を産むのに必要な二枚貝や、またその二枚貝が寄生して成長する水底の魚など、水域全体の環境を守ることが大切です。

京都市動物園や平安神宮の池は、水路で琵琶湖とつながっています。動物園では、平安神宮の池に生息する琵琶湖水系のイチモンジタナゴを育て、自然にかえすことを目標にしています。

2016年にスタートした「守れ!イチモンジタナゴ!!プロジェクト」。地域の子どもたちも参加します

きょうとニュース

スポーツの秋!

1月22日(月・臨時開園日)と23日(火・祝)、京都市動物園では、平安女学院大学とのコラボイベント『えくささいずぅ』を開催します!

「フラミンゴの片足立ちに挑戦」「ショウガラゴのようにジャンプ!」など、スポーツの秋にちなみ、動物たちの身体能力や動物園の仕事を楽しく学べる体験イベントです。当日の午前と午後に参加券を配布しますので、くわしくはHPで確認のうえ、ぜひ参加してください。

 


写真提供:京都市動物園

京都市動物園
京都市左京区岡崎法勝寺町岡崎公園内
TEL.075-771-0210
https://www5.city.kyoto.jp/zoo/
協力・監修/京都市動物園

 

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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