【円山動物園だより】オーストラリアからやって来るわたり鳥「オオジシギ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
札幌
動物園だより
2022.01.20

【円山動物園だより】オーストラリアからやって来るわたり鳥「オオジシギ」

目次 [非表示]

円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

今月のどうぶつ:オオジシギ

シギ目/タシギ科
【生息地】インドネシア、オーストラリア東部、日本、パプアニューギニア、ロシア南東部

円山動物園には2羽います。

オーストラリアからやって来るわたり鳥

オオジシギは、毎年4月ごろにオーストラリアから北海道にやって来るわたり鳥です。その飛行距離は、なんと約7,000km。くちばしから尾羽までの長さは約30cm。体重は180gほどで、わたりの時期になると200g以上に増やして、長い旅に備えます。長距離を休まずに飛び続けることができ、苫小牧からパプアニューギニアまで約5,000km以上を6日間でわたったという記録もあります。

長細いくちばしは約7cmあります

尾羽はきれいなオレンジ色

北海道にいるのは4~9月ごろ。繁殖期にはオスが空を飛び回り、「ジェジェージェー」と鳴きながらメスにアピールをします。これはディスプレイフライトと呼ばれ、4月下旬から5月上旬の夕方の石狩川の河川敷やモエレ沼公園でも見られます。

4~7月の繁殖期以外はあまり飛ぶことはなく、湿地などの地上で暮らしています。長く細いくちばしを土の中につっこんで、ミミズやムカデなどをつかまえて食べます。くちばしには神経が通っていて、上のくちばしの先端を上側に曲げることもでき、器用に土の中の虫を探し当てます。

円山動物園で2羽を飼育中

円山動物園では、2021年7・8月に阿寒町で保護された2羽を飼育しています。オオジシギを飼育しているのは国内では円山動物園だけです。自然破壊により野生での数が減っていますが、生態についてはあまり分かっていません。円山動物園では飼育をしながら研究をして、オオジシギの保全を進めたいと考えています。

土の中の虫をつかまえて食べます

>>> ディスプレイフライトの動画はこちらから(日本野鳥の会HP)

まるやまニュース

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教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

動物のえさは、たまに変えたりするの?

答え

動物園のえさは、野生でその動物がいつ何を食べているかを考えて選んでいます。例えばエゾヒグマは、春には芽吹いた植物、秋にはどんぐりなどの木の実や川を上ってきたサケを食べます。季節に合わせて、野生動物が食べるえさや必要な栄養素は変化するので、動物園でも季節によって種類や量を変えます。また、動物が退屈しないように、例えばニンジンは丸ごと、皮をむいた物、ゆでた物など、食感や味に変化を付けます。


札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1
TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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