【京都市動物園だより】絶滅の危機がせまる 国の天然記念物「ツシマヤマネコ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
京都
動物園だより
2022.01.20

【京都市動物園だより】絶滅の危機がせまる 国の天然記念物「ツシマヤマネコ」

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今月のどうぶつ:ツシマヤマネコ

学名:Prionailurus bengalensis euptilurus
食肉目 ネコ科
生息地:長崎県対馬の山腹、広葉樹林、田畑や水辺

~会えないけど、園内にいるよ!~


動物園には非公開の繁殖施設があります。現在「ユリ」(メス3才/写真左)と「リョウ」(オス7才/写真右)がここで暮らし、落ち着いた環境でお見合いをしています。

絶滅の危機がせまる 国の天然記念物

1971年に国の天然記念物になったツシマヤマネコは、長崎県の対馬だけに生息する野生のネコです。
胴長短足で、額にたてのしま模様、体には、あまりはっきりしないまだら模様があります。イエネコとのちがいは、しっぽが太いことや、耳の裏に白いはん点がある所です。

1960年代には300頭近くいた野生の個体は、今では100頭もいないとみられています。森林開発で生息地を追われたり、えさとなるネズミやカエルなどがすむ田畑が減ったり、交通事故、イエネコからの感染症など、人間との関わりの中で、多くのツシマヤマネコの命が失われてきました。

1994年には国内希少野生動植物種に指定され、環境省のレッドリストでも絶滅の危険性が極めて高いものに挙げられています。


2017年、繁殖に成功!生後1カ月ごろの2頭。父親は「キイチ」です

 

10年後、20年後のために今できることをやろう!

対馬では生息地の再生とツシマヤマネコの保護が行われ、さらに全国の動物園でも、将来は対馬の野生にかえすことを目標として繁殖活動を行っています。

2017年には、京都市動物園でも2頭の子どもが生まれました。飼育員の人工哺育で元気に成長し、また新しい命を生むため、他の動物園に転園しました。

希少な絶滅危惧種を救うには、現代の社会をつくる1人1人の協力が必要です。
「ツシマヤマネコを守りたい!」と思ったあなたは、ぜひ自分にできることを調べて、小さなことからでも実行してみてください。


14才の長老「キイチ」は繁殖を卒業。展示エリアで会えます!

きょうとニュース

新しい仲間を紹介します!

昨年11月1日(月)に上野動物園から来たニシアフリカコガタワニが、11月20日(土)、熱帯動物館の展示室にデビューしました。

小さな体(全長1~1・8m)と短い口先が特徴の、クロコダイル科で最も原始的なワニです。
IUCN(国際自然保護連合)がレッドリストにあげる絶滅危惧種でもあり、京都市動物園では他の動物園とも協力して繁殖に取り組んでいます。


写真提供:京都市動物園

京都市動物園
京都市左京区岡崎法勝寺町岡崎公園内
TEL.075-771-0210
https://www5.city.kyoto.jp/zoo/
協力・監修/京都市動物園

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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