【京都大学白浜水族館だより】頭にある小判「コバンザメ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2024.05.07

【京都大学白浜水族館だより】頭にある小判「コバンザメ」

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今月のどうぶつ:コバンザメ

学名:Echeneis naucrates (Linnaeus,1758)
コバンザメ科
生息地:全世界の温帯・熱帯域

他の大型の生き物にくっついて暮らすことで有名なコバンザメ。名前にサメとついていますが、サメとは全く関係ないスズキ目というグループにふくまれる魚です。頭の上に特徴的な小判型の構造を持っており、これが名前の由来になっています。

コバンザメの小判

コバンザメの頭にある小判型の構造は、吸盤になっているため、他の大型の生き物にくっつくことができます。多くの場合、ウミガメやサメなどにくっついて暮らしており、自分で泳がずに済むので、エネルギーを節約することができます。吸盤は、背びれが変化してできたものです。ふ化してから10日くらいで変化が始まり、1カ月くらいで吸盤が完成します。小判の模様に見えるデコボコを、立てたり後方にたおしたりすることで、吸着したりはなれたりすることができます。えさを探すときや、くっついている生き物と別の方向に行きたいときなどは、くっつくのをやめて自分で泳ぐこともあります。

吸盤は、背中側にあります

水槽内での暮らし

当館でコバンザメを展示している水槽には、コバンザメより大きな生き物が入っていません。そのため、水槽内で独特な行動を見せてくれます。コバンザメは、何かにくっついていないと落ち着かないらしく、普段は水槽のかべにくっついていることが多いです。吸盤の構造上、上を向いてかべにくっつくと楽なので、コバンザメがみな上を向いてかべに整列する、ということがしばしば起こります。また、ガラスにくっつくこともあり、その場合は、コバンザメの吸盤を観察し放題になります!運よくこの状態のコバンザメに出会うことができたら、ぜひ吸盤を観察してください。

かべにくっついているコバンザメ

京都大学白浜水族館ニュース

ナヌカザメが、数年ぶりに展示に加わりました!

ナヌカザメは、海のやや深いところに生息しています。そのため、なかなか手に入れることができませんでした。今回、展示している個体は、状態が良く、水槽内でのんびりと暮らしています。ぜひ、見に来てください。


写真提供/京都大学白浜水族館

協力・監修/京都大学白浜水族館
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459
TEL 0739-42-3515
https://www.seto.kyoto-u.ac.jp/shirahama_aqua/

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エコチル編集部

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