【橿原市昆虫館だより】幼虫とさなぎには、トゲがあります「ツマグロヒョウモン」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
奈良
動物園だより
2024.04.09

【橿原市昆虫館だより】幼虫とさなぎには、トゲがあります「ツマグロヒョウモン」

目次 [非表示]

今月のどうぶつ:ツマグロヒョウモン

学名:Argyreus hyperbius
タテハチョウ科
生息地:日本では、本州(東北地方南部)から南西諸島

上:オス、下:メス

幼虫とさなぎには、トゲがあります

ツマグロヒョウモンは、はねを広げると6・5~7・5㎝ほどの大きさになります。オスのはねは、オレンジ色に黒い点々のヒョウ柄模様。メスのはねも同じですが、前はねのはしっこが黒くなっていて、その中に白い帯模様があります。幼虫の色は、黒にあざやかな赤色の筋や模様があり、少し毒々しいです。また、体にたくさんのトゲがあり、さわると少しちくちくします。でも、毒は持っていません。さなぎにも、同じようにトゲがあります。色は全体的に茶色で、背中側に金色の突起が10個あります。

幼虫:毒は無いので、安心です

さなぎ:金色の突起が目立ちます

展示は初夏だけ

幼虫の食草は、パンジーやビオラなど、スミレの仲間の葉です。近年、これらの植物が、家の庭や街中によく植えられるようになりました。ツマグロヒョウモンの分布が、以前と比べて徐々に東へ拡大しているのは、地球温暖化と幼虫の食草の増加が原因だと考えられています。

昆虫館の玄関の花壇には、毎年パンジーを植えているため、初夏にたくさんのツマグロヒョウモンの幼虫が見つかります。その一部を回収して、飼育し、羽化させ、放蝶温室に飛ばしています。幼虫の飼育には、大量のスミレの葉が必要なので、はんしょくはさせていません。そのため、初夏にだけ放蝶温室に飛ばす、季節的な展示になります。

かしはらしニュース

変わった色をした、ナガサキアゲハのさなぎ

昆虫館が飼育しているナガサキアゲハのさなぎは、通常緑色ですが、青い色のさなぎが、生まれました。一部の色素(おそらく黄色)が作られない、突然変異かもしれません。たくさんアゲハチョウの仲間を飼育していると、このような幼虫やさなぎが、まれに見られます。


写真提供:橿原市昆虫館

協力・監修:橿原市昆虫館
奈良県橿原市南山町624
TEL:0744-24-7246
https://www.city.kashihara.nara.jp/kanko_bunka_sports/konchukan/index.html

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3