【釧路市動物園だより】空は飛べないけど水中を飛ぶ鳥「フンボルトペンギン」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2023.11.13

【釧路市動物園だより】空は飛べないけど水中を飛ぶ鳥「フンボルトペンギン」

目次 [非表示]

釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

今月のどうぶつ:フンボルトペンギン

ペンギン目 ペンギン科
【生息地】南アメリカの太平洋側沿岸地域

釧路市動物園ではオス4羽とメス3羽を飼育しています。

空は飛べないけど水中を飛ぶ鳥

ペンギンとはペンギン目に属する単科の海鳥です。つばさがヒレのような形に変化しており、空を飛ぶことができません。これは水中で魚類や甲殻類などをつかまえて食べる生活に特化したことなどがきっかけになったと考えられます。また、他のトリにみられない特徴として、胴体が直立します。そのような姿から、かつては人鳥と呼ばれたこともありました。

飛ぶように水中を泳ぐペンギン

温かい地域に暮らすフンボルトペンギン

ここでは、現在釧路市動物園で7羽を飼育しているフンボルトペンギンについて紹介します。ペンギンは現在、6属19種があります。このうちフンボルトペンギンは、ケープペンギン、マゼランペンギン、ガラパゴスペンギンとともにケープペンギン属に分類されています。

日本では、ペンギンの生息地として氷でおおわれた南極圏をイメージすることが多いのではないでしょうか。筆者の世代にとって、ひと昔前に活躍した宗谷やふじといった南極観測船とペンギンがいっしょに映った映像が、深く印象に残っているせいかもしれません。それはさて置き、ケープペンギン属は名称に付いている地名などが示すように、南半球のアフリカ、アメリカ大陸の沿岸や島々などの温帯地域が生息域です。

フンボルトペンギンという名称は、南アメリカ大陸西岸を北上する海流域に生息することに由来しています。生息地では環境破壊や漁業による混獲、競合などが原因で数が減り、国際自然保護連合のレッドリストで絶滅の危機が増大している「危急」に指定されています。その一方で、日本の動物園では最も飼育頭数の多い種類です。これは日本が同じ温帯地域にあること、ふ化技術やそれを取り巻くインフラ環境が整っていることが関連しているようです。

立っている姿がヒトに似ている?!

くしろニュース

「トンボ池の清掃」を実施しました!

11月1日(水)に「トンボ池の清掃」を実施しました。この池は北海道ゾーンの湿原部分にあり、春にはエゾアカガエル、秋にはさまざまなトンボの産卵を観察することができます。清掃は来年度の観察会などに向けて、ボランティアさんのご協力を得て行われました。

くわしくは  >>> 釧路市動物園 まで

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

絶滅する危険がある動物を飼育する上で、特に心がけていることはありますか。

答え

実は動物園で飼育している動物には、絶滅する危険があるものがたくさんいます。そうしたことを意識しながらも食事や健康の管理、獣舎の清掃など基本的な飼育作業を着実に積み重ねることが一番大切です。


協力・監修/釧路市動物園
釧路市阿寒町下仁々志別11番
TEL. 0154-56-2121
https://www.city.kushiro.lg.jp/zoo

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3