大きな口に小さな目の不思議な生き物「オオサンショウウオ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
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2023.09.06

大きな口に小さな目の不思議な生き物「オオサンショウウオ」

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トカゲの仲間?魚の仲間?オオサンショウウオの不思議

「オオサンショウウオ」という生き物を知っているかな?関西で活躍中の「いきもの俱楽部KONOMI」のみなさんが、オオサンショウウオについてくわしく教えてくれたよ!

和名:オオサンショウウオ
学名:Andrias japonicus

オオサンショウウオは、本州や四国、九州など、岐阜県や愛知県よりも西側の地域に生息している両生類の仲間だよ。みんなのおうちのまわりで見かけるカエルや、イモリなども両生類なんだ。トカゲのような見た目だけど、は虫類の仲間ではないし、和名に「ウオ」と付いていて、主に水中で暮らしているけれど、魚の仲間でもないよ。
日本固有種で、国の特別天然記念物に指定されている貴重な生き物だよ。

大きな口には小さくて細かい歯があるよ

オオサンショウウオは両生類の仲間の中では世界最大級の大きさで、1m以上の大きさになるものもいるんだ。川の中で暮らしていて、昼間は岩のすき間などでじっとしているけれど、夜になると活動を始めるよ。前足の指は4本、後足の指は5本あって、川の流れの中でも活動できるようにすべりにくい構造になっているんだ。

平べったい顔には、小さな目と鼻、大きく開く口があり、上のあごと下のあごに細かい歯が並んで列になっているよ。特に、上のあごには細かい歯が2列もあり、獲物にかみついたときに簡単に離れないようになっているんだ!ヘビやライオンのようにするどいキバはないけれど、かみつく力はとても強いから、見かけても絶対にさわらないようにしよう。

肉食で、普段は魚やカニなどを食べてくらしているけれど、鳥や鹿を捕食することもあるんだって。食べ物は大きな口で丸のみにしてしまうんだ。

オオサンショウウオと交雑問題

実は今、国内に生息するオオサンショウウオにとって大きな問題が起こっているんだ。それは、元々日本にいたオオサンショウウオと別の種類のチュウゴクオオサンショウウオの交雑(※別の種類の生き物同士の間に、雑種が生まれること)が発生していることだよ。

チュウゴクオオサンショウウオは、食用や飼育する目的などの理由で中国から持ち込まれたオオサンショウウオの仲間だけど、捨てられてしまったり、飼育されていた個体が逃げ出したりして、日本国内の川にすみついてしまったんだ。
その結果、もともと日本国内の川にいたオオサンショウウオと交雑が起こってしまい、オオサンショウウオでもチュウゴクオオサンショウウオでもない「交雑オオサンショウウオ」が生まれてしまうよ。

交雑オオサンショウウオが増えると、日本のオオサンショウウオが減ってしまうということが分かっているだけでなく、最近では交雑オオサンショウウオが確認された場所が増えてきていて、日本にもともと生息していたオオサンショウウオがいなくなってしまわないように、調査活動を行っているそうだよ。

オオサンショウウオはもちろん、日本にはたくさんの種類の生き物が暮らしているよ。生物多様性を守っていくために、まずは興味を持つことから始めてみよう!

2023年9月16日(土)のエコチルライブでは、いきもの俱楽部KONOMIによるスペシャルパフォーマンス「オオサンショウウオのうた」を聞くことができるよ。ぜひ遊びに来てね!

記事掲載協力:いきもの俱楽部KONOMI
関西を中心に、子どもたちが自然と触れ合えるような環境教育・生物系のイベントを実施。
公式サイト:https://ikimonoclub.com/gaiyou/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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