【京都市動物園だより】みんなで学び、守ろう!「イチモンジタナゴ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
京都
動物園だより
2023.07.10

【京都市動物園だより】みんなで学び、守ろう!「イチモンジタナゴ」

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今月のどうぶつ:イチモンジタナゴ

学名:Acheilognathus cyanostigma
コイ目 コイ科
生息地:日本固有種で東海地方から西の湖沼や河川

「守れ!イチモンジタナゴ プロジェクト」

今回は、京都市動物園が8年前から取り組んでいる環境教育プログラムを紹介します。イチモンジタナゴについては2021年11月号でもくわしく解説しています

イチモンジタナゴって?みんなで学び、守ろう!

体に1本、青緑色の線があるのが名前の由来で、二枚貝の中に卵を産むというユニークな生態を持つイチモンジタナゴ。琵琶湖淀川水系、濃尾平野、福井県三方湖、和歌山県紀の川水系に天然分布する日本の固有種ですが、環境の変化により生息数が激減し、今では絶滅危惧種となっています。

当園では、この希少淡水魚の繁殖と保全に取り組んでいます。2016年にスタートした「守れ!イチモンジタナゴ プロジェクト」は、その活動の1つです。毎年、一般の参加者をつのり、いっしょに繁殖用の水そう作りや園内のふん水池の生物調査、環境整備などを行うことで、理解を深めていただいています。

稚魚はわずか7〜8㎜。二枚貝に産み付けた卵は3~6月ごろにふ化し、稚魚が水面近くまで上がってきます

 

100ぴきのふ化に成功! 平安神宮へ初めての放流

稚魚の繁殖は大変難しく、生まれても育たず死んでしまうこともあり、なかなかうまくいきませんでした。そして7年目の昨年、約100ぴきもの稚魚が生まれ、その内の多くが無事大きく育ちました。

動物園で増やした稚魚は、野生にかえすことが最終目標です。その第一歩として、今回は平安神宮の池への放流を行いました。平安神宮の池は、琵琶湖と水路でつながっていて、流れついたイチモンジタナゴが生息しています。今回の放流で個体数が増えることが期待できます。同じ水路の水は当園のふん水池にも流れており、将来は、ふん水池にも放流する計画です将来は、ふん水池にも放流する計画です。

たくさん生まれますように!専門家の先生に教わりながら、繁殖用の水そう作り

 

きょうとニュース

新しい仲間を紹介します!

4月21日(金)に沖縄こどもの国から、メスのレッサースローロリス「ナミ」(4才)が来園しました。「ひかり・みず・みどりの熱帯動物館」の夜行性ゾーンにいるので、会いに来てくださいね。

今後は、同じ部屋で暮らすショウガラゴたちや、オスのレッサースローロリスの「ノイ」(10才)との同居を進めていきます。将来はノイとナミで繁殖を目指します。


写真提供:京都市動物園

協力・監修:京都市動物園
京都市左京区岡崎法勝寺町岡崎公園内
TEL.075-771-0210
https://www5.city.kyoto.jp/zoo/

 

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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