【和歌山県立自然博物館】養殖ウナギはすべて天然もの?「ニホンウナギ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2023.02.13

【和歌山県立自然博物館】養殖ウナギはすべて天然もの?「ニホンウナギ」

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ニホンウナギ

学名:Anguilla japonica
ウナギ目 ウナギ科
生息地:日本全国

ウナギのかば焼きといえば、だれもが知っている料理ですが、生物としてのウナギの生態は、長い間たくさんのなぞに包まれていました。最も大きななぞは、「どこで卵を産んでいるか?」。

つい最近まで、自然界で産み落とされたウナギの卵は、発見されていませんでした。長年の調査研究の結果、ようやく2009年にグアム島近くの太平洋で、ニホンウナギの卵が見つかったのです。私たちが食べているウナギは、生まれた直後に数千キロの旅をして、日本沿岸にやって来るのです。

養殖ウナギはすべて天然もの?

私たちが食べているウナギのほとんどは、養殖です。ただ養殖とはいっても、日本の沿岸にやって来るウナギの赤ちゃん(シラスウナギ)をつかまえて、えさをあたえて大きくしています。つまり、元々は天然のウナギなのです。

近年、来遊するシラスウナギの量が、減少しています。このままでは、ウナギも、食文化も、無くなってしまうかもしれません。人工的にシラスウナギを生産する技術も開発されてはいますが、まだ実用化はされていません。そのため、天然のウナギ資源を大切にするしかないのです。

シラスウナギ

ウナギと、ウナギのすむ環境を大事にしよう

ウナギは、川や池、用水路、海など、身近な環境に生息しています。石の隙間や、砂やどろの中にもぐりこむため、コンクリートで隙間なく作られた川では、生きることができません。

また、肉食性の魚なので、えさとなるたくさんの動物が必要です。つまり、ウナギを増やすためには、さまざまな種類の生物が豊富に生息する、生物多様性の豊かな環境を守らないといけません。

将来にわたって、おいしいウナギを守るために、身近な環境に目を向け、大事にしていきたいものです。


天然のウナギ

和歌山県立自然博物館ニュース

きのくに野外博物館「光で魚を集めよう」
2023年3月18日(土)開催

夜間にライトを照らすと集まってくる魚やエビ、カニたち。小さな魚などを食べるために、大きな魚が現れることもあります。小さな生き物たちがくり広げる生存競争を、白浜町でいっしょに観察しませんか?

申し込みは3月4日(土)まで。くわしくはホームページをご覧ください。
※応募者多数の場合は抽選


写真提供:和歌山県立自然博物館

和歌山県立自然博物館
〒642-0001 和歌山県海南市船尾370-1
TEL 073-483-1777
https://www.shizenhaku.wakayama-c.ed.jp/

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エコチル編集部

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