【エコチル特集】私たちにもできることがある!さまざまな問題を引き起こす食品ロスをなくそう!!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
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2023.02.06

【エコチル特集】私たちにもできることがある!さまざまな問題を引き起こす食品ロスをなくそう!!

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みんなは、日本だけで年間約522万tもの食料が捨てられているって知っていたかな? 日本は食料の大半を輸入にたよっているのに、食料を捨てるなんておかしなことだよね。そんな「もったいない」ことを、どうやったら防げるのかな。今回は「食品ロス」について考えてみよう!

年間約522万tもの食べ物がごみに!

食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことだよ。日本の食品ロスの量は年間約522万t。2tの清掃車7200台分の食べ物が、毎日食べられないまま捨てられていることになるよ。

世界には、飢えや栄養不足で苦しんでいる人が8億人もいて、日本にも、食べたいのに食べられない人がいるよ。それなのに、世界中で捨てられる食料は1年間に約13億t。世界の人々が食べるために生産された食料の約3分の1が捨てられていることになるんだ。

大量の食品ロスが発生すると、食料がもったいないだけではなく、さまざまな影響や問題があるよ。食品ロスをふくめた多くのごみを捨てると、ごみ処理に多額のコストがかかってしまうし、可燃ごみとして燃やすことで、CO₂排出や焼却後の灰のうめ立てなどによる環境負荷が考えられるよ。

また、食べられないまま捨てられてしまう食料を生産するために、たくさんの水やエネルギーが使われているよ。地球の貴重な資源である水を、“捨てられる食料”のために使っていることになるんだ。

食品ロスは今日から減らせる

では、どうしたら食品ロスを少しでも減らすことができるのかな?

実は、日本の食品ロスの約半分をしめるのが、家庭から出る食品ロスなんだ。

中でも、

  • 料理を作り過ぎて残る
  • 野菜の皮やくきなど、食べられる所まで切って捨ててしまう
  • 未開封のまま食べずに捨ててしまう

この3つが大きな原因だといわれているよ。

東京都が制作する冊子『東京食品ロス0アクション』では、家庭で取り組める削減活動を「買いすぎゼロ」「作りすぎゼロ」「食べ残しゼロ」の3つの項目に分けて紹介しているよ。ここに書かれていることを参考に、みんなも考えてみてね!

参考:
都民向け普及啓発冊子「東京食品ロス0アクション」(2019年10月)    
政府広報オンライン「今日からできる!家庭でできる食品ロス削減」 

食品ロス発生の流れ

食品ロスは、生産されてから私たちの口に入って消費されるまで、さまざまな過程で発生します。

一般家庭における主な食品別の食品ロス率

食品ロス問題を深く知るためのキーワード

食品ロスは「もったいない」だけでなく、さまざまな問題を引き起こしているよ。

\貧困問題/
世界の飢餓人口

8億人(2021年)

飢えや栄養不足で苦しんでいる人は世界で約8億人。世界で捨てられている13億tの食料が行きわたれば、飢餓人口は減らせるかも知れないね。

\家計問題/
1世帯の食品廃棄相当額

6万円(2019年:京都市)

日本の家庭から発生する食品ロスの量は約247万t(2020年度推計値)。4人家族の世帯は毎年約6万円相当の食品を捨てていると見積もられているよ。

\水資源問題/
淡水使用量

250km³(2013年)

廃棄される食料を作るために、250km³もの淡水が使われているよ。これは琵琶湖の水の約9倍! 特に穀物の生産にはたくさんの水が必要で、1ぱい分のご飯に278Lの水が必要になるんだよ。

\環境問題/
温室効果ガスの排出量

44億t(2011年)

廃棄される食料のために排出された温室効果ガス(CO₂)は、約44億tにものぼるよ。もしも、食品ロスが1つの国だとすると、中国、アメリカに次いで、3番目に相当する温室効果ガス排出量になるよ。

\食料自給率問題/
日本の食料自給率

38%(2021年)

日本の食料自給率はカロリーベースで38%。多くの食料を諸外国にたよっている一方で、食品ロスを発生させているんだ。

食品ロスを減らすために、こんなことをやってみよう!!

食品ロスを減らすために、どういったことをすればいいのかな? その一例を紹介していくね。

おうち編

  1. 「備える」→「食べる」→「買い足す」ことをくり返しながら、食品を貯蔵していく「ローリングストック」にチャレンジする
  2. 食材はむだなく使う工夫をする
  3. 残っている食材から使う
  4. 食べないまま余っている食品は、フードドライブなどを利用して、必要としている人に寄付する

冷蔵庫の中を見やすく整理したり、捨ててしまいがちな野菜の皮もおいしく調理できたりするんだよ。「フードドライブ」は市区町村やスーパーなどで実施されているよ。みんなも、食品ロスを減らす工夫をしてみてね!

外食編

  1. お店では、食べ切れる分だけ注文する
  2. どうしても食べ切れなかったら、「持ち帰り」できるかどうか、お店の人の聞いてみる
  3. 「食べきり協力店」を選んで、行く

「食べ放題」のお店でも、自分のお腹と相談してね。また、持ち帰り用「ドギーバッグ」を持って行くことも、取り組みの1つだよ。ただ、食中毒に注意し、自己責任で行ってね。また、おうちの人と、「食べきり協力店 東京」を検索して、食品ロス対策に取り組んでいるお店を探してみてね。

買い物編

  1. 買い物前に冷蔵庫内などをチェック
  2. 買い物は使う分だけ
  3. 手前に並べられている食品を選ぶ

今度、おかしなどを買いにお店に行ったら、売れ残って捨てられちゃうのはもったいないから、食べられる期限が近い、手前にある商品を買って、おいしく食べようね。

知っているかな? 「消費期限」と「賞味期限」のちがい

食べ物には「消費期限」と「賞味期限」という言葉がついているよ。消費期限とは「食べても安全な期限」のことで、賞味期限は「おいしく食べることができる期限」のこと。賞味期限は、過ぎてもまだ食べられるんだ。期限切れだとすぐに捨てず、食べられるかどうかを判断することも大切だよ。


協力:東京都

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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