目次 [非表示]
みなさん、セイヨウオオマルハナバチって知っていますか? 日本に持ちこまれた外来種のハチで、北海道にも生息しています。このハチが増えることで、地域の自然環境が影響を受けています。今回は、セイヨウオオマルハナバチについて、いっしょに見てみましょう。
北海道でも増え続ける セイヨウオオマルハナバチ
もともといなかった場所に、人間によって持ちこまれた生物のことを「外来種」といいます。一部の外来種は、生態系、人の健康、農林水産業などに影響をあたえており、日本全国でさまざまな問題が確認されています。
セイヨウオオマルハナバチ(以下、セイヨウ)もその一種。ヨーロッパ原産で、主にハウス栽培のトマトの授粉を助ける昆虫として、1990年代から輸入が開始されました。しかし、ハウスからにげ出した個体が野生化し、それ以降、増え続けています。
北海道にはセイヨウをふくむ12種類のマルハナバチが生息していますが、もともといる在来種のマルハナバチとの蜜や花粉などをめぐる競争などが心配されています。また、セイヨウは花の根元に穴を開けて蜜を吸うことも多く、この場合、受粉は成立せず、種子を残すことはできません。植物にとってもセイヨウが増えることは大きな問題なのです。
セイヨウたちの1年間って?
セイヨウの1年間を紹介します。
- 4月ごろ、女王バチが目覚め、巣作りの場所を探し始めます。
- 5~6月、巣作りが成功し、最初に産んだ卵が働きバチになると、蜜や花粉集めをまかせ、女王バチは産卵、子育てのみをするようになります。
- 7~8月、次から次へと働きバチが誕生。巣も大きくなります。
- 8月ごろから、次の春の巣作りをする新女王バチ、オスバチも生まれます。
- 秋の終わりごろまでに、女王バチ・働きバチ・オスバチは死に活動を終えますが、新女王バチは翌年の活動に向けて越冬します。
セイヨウオオマルハナバチの1年間
東京大学保全生態学研究室作成
北海道に生息する代表的なマルハナバチたち
東京大学保全生態学研究室作成資料より抜粋
「セイヨウオオマルハナバチバスターズ」参加者募集中!
北海道では、「セイヨウオオマルハナバチ」の防除*活動を進めています。この活動にボランティアとして協力しているのが「セイヨウオオマルハナバチバスターズ」。
みなさんの「監視」によって正確な状況を知り、1頭でも多く「捕獲」することを目的にしています。大切な自然を守るために、みなさんもぜひご参加ください!
*防除とは、農作物につく病害虫などを予防し駆除すること。
活動の基本内容
- バスターズに登録します。
- セイヨウがいるか観察します。
- 見つけたらつかまえます。※特に春先と秋に活動する女王バチ
- セイヨウに関する情報を報告します。
▽バスターズの申し込みについて▽
北海道のHP セイヨウオオマル ハナバチのページ
▽バスターズの活動報告先▽
HoBiCC 新セイヨウ情勢
▽セイヨウの つかまえ方の動画▽
北海道セイヨウオオマル ハナバチ対策推進協議会 ~白いお尻を捕まえろ〜
どんな場所にいるの?
花粉を集めるためさまざまな花に集まります。 街なかでも見られるので公園や家の近くで探してみましょう。
ハンバーグレストランびっくりドンキーの㈱アレフ提供:恵庭市えこりん村における協働活動の様子
セイヨウのつかまえ方(例)
大人といっしょに行動しましょう!
❶しっかりあみをかぶせる | |
❷あみを上に引き上げる(ハチが上がって来る) | |
❸液体洗剤を入れた透明のケースやペットボトルなどを下からさしこんでふたをする | |
❹ケースなどに情報を記入し、死んだことを確認する | |
❺新セイヨウ情勢に報告後、一般ごみとして適切に処分する |
注意!さされないために
マルハナバチの仲間は攻撃性が弱く、スズメバチのように向こうからさすようなことは基本的にはありませんが、注意は必要です。
- ハチには直接さわらないようにしましょう。あみを持ち上げるときは、リボンをぬい付けておくか、洗濯ばさみやクリップなどを使い、上がって来たハチにさされないようにしましょう。
- ハチがにげようとしたときは、無理に手を出さないようにしましょう。
- もしさされた場合は、すぐにポイズンリムーバーなどで毒を吸い出しましょう。さされた所をしぼるようにしながら流水で洗い、ばんそうこうなどで保護してください。
- 体調が急変したら、すぐに病院に行きましょう。
画像提供:東京大学保全 生態学研究室
監修:北海道 環境生活部 環境局 自然環境課
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。