【和歌山県立自然博物館】粘菌とも呼ばれる単細胞の微生物「変形菌」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2022.08.22

【和歌山県立自然博物館】粘菌とも呼ばれる単細胞の微生物「変形菌」

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変形菌

学名:Arcyria denudata
ケホコリ目 ケホコリ科
生息地:日本各地の朽ち木に発生

倒木の上をはっている、ススホコリ属の変形体写真です。これは、移動しながら、栄養となる有機物などを探して食べている状態。 移動することができるなんて、不思議ですね。

キノコのようなものを作る「変形菌」

今月紹介をする「変形菌」は、粘菌とも呼ばれる単細胞の微生物です。多くの変形菌は、倒木や落ち葉などに高さ1~2㎜程度の「子実体」というキノコのようなものを作ります。変形菌は、世界で約1000種、日本ではそのうちの約600種が見つかっています。

キノコのような形をしている子実体には、「子嚢」という胞子が入っている袋状のものがついています。ルーペや顕微鏡で観察すると、子嚢の表面があざやかな色をしていたり、金属のような光沢があったりします。

SNSによる拡散がきっかけで、、変形菌のかわいらしさや美しさに魅了される人が増えてきていますよ。


金属光沢を放つ、アカエキモジホコリの子実体

「変形菌」の正体はなんとアメーバです

変形菌の胞子は、直径1㎜の100分の1程度の大きさで、おもに風によって遠くに運ばれます。生息に適した場所に落ちると、胞子が発芽して、粘菌アメーバが現れます。この粘菌アメーバは形を常に変化させながら、バクテリアを食べて、分裂して増えていきます。

また、粘菌アメーバには性別があり、異なる性別のアメーバが出会うと、くっついて1つのアメーバになります。その後は、分裂をせず体を大きくし、変形体と呼ばれる大きなアメーバになります。

そしてあるとき、変形体は劇的に形を変え、子実体になります。実は、変形菌はアメーバ状態で生きている期間が非常に長いのです。

和歌山県立自然博物館ニュース

きのくに野外博物館 『キノコや粘菌をさがしてみよう!②』

9月10日(土)に、当館主催でキノコや粘菌(変形菌)の観察会を開催します。

観察会は、那智勝浦町の宇久井ビジターセンターで行う予定です。キノコや粘菌(変形菌)をいっしょに探して観察してみませんか。

申しこみは8月27日(土)まで。くわしくはホームページをご覧ください。応募者多数の場合は抽選となります。


写真提供:和歌山県立自然博物館

和歌山県立自然博物館
〒642-0001 和歌山県海南市船尾370-1
TEL073-483-1777
https://www.shizenhaku.wakayama-c.ed.jp/

 

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エコチル編集部

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