【釧路市動物園だより】歌いながらコミュニケーション「シロテテナガザル」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2022.08.22

【釧路市動物園だより】歌いながらコミュニケーション「シロテテナガザル」

目次 [非表示]

釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

取り上げる動物は…
「シロテテナガザル」

霊長目 テナガザル科
【生息地】マレーシア半島、タイ、ラオス、ミャンマー、インドネシア

釧路市動物園では、オス1頭、メス1頭を飼育しています。

世界最高齢のおじいちゃん

シロテテナガザルは長いうでを持ち、木から木へぶらさがりながら移動するのには大変便利ですが、地上ではちょっとやっかいです。めったに地面に降りませんが、バランスを取るために両手を広げて歩く姿はまるでやじろべえのようです。

釧路市動物園で飼育している「オンチャン」は、今年で推定64才以上の世界最高齢のおじいちゃん。シロテテナガザルの生息する東南アジアで、子どものときに捕獲され、井の頭自然文化園で飼育されていました。その後、1988年に釧路市動物園にやって来ました。1992年にメスの「ミク」が仲間入りし、夫婦として暮らしていました。しかし、ミクは2019年に亡くなり、26年という長い夫婦生活が終わってしまいました。

1頭になり、さびしそうにしていたオンチャンにおよめさんを探し、2020年に神戸市王子動物園から「マリア」がやって来ました。マリアは現在9才で、好奇心旺盛です。


ミク(左)とオンチャン(右)

歌いながらコミュニケーション

シロテテナガザルは、人間以外で最も複雑な音声コミュニケーションを取るといわれています。オスとメスでは音程を変えて、パート分けをしながら歌うように鳴き交わします。鳴き交わしのメスの声を「グレートコール」、オスの声を「メールコーダ」と呼びます。

ミクとオンチャンはとても大きな声で鳴き交わしをしていました。小柄な体から発せられる声は、数km先でも聞こえました。鳴き交わしは夫婦のコミュニケーションや、なわばりの主張のためだと考えられています。

マリアとオンチャンは少しずつ距離を縮め、すっかり仲良しですが、まだ鳴き交わしを聞いたことがありません。おじいちゃんになって声が出ないのか、まだマリアとの声のコミュニケーションに至っていないのか分かりませんが、またあのすてきな歌声が聞きたいです。


マリア(左)とオンチャン(右)

 

くしろニュース

「秋の動物園まつり」と「慰霊式」を開催

9/18(日)・19(月・祝)に「秋の動物園まつり」として、動物クイズを解きながら歩く健康ウォークラリーを行います。また、9/23(金・祝)には、1年間に亡くなった動物たちをふり返り、感謝をこめて花を供える慰霊式を行います。ぜひ参加してくださいね。

>>> くわしくは「釧路動物園」

 

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの 質問に答えるよ!

質問

アザラシをさわったかんしょくはどんな感じですか?

答え

アザラシの皮ふには短い毛がびっしりと生えていて、ぬれた状態だとツルツル、かわいた状態で毛並みに沿ってさわるとサラサラしています。反対方向にさわるとザラザラとしてなでにくくなります。昔は、登山用スキー板の裏側にすべり止めとしてはられていました。

 


協力・監修/釧路市動物園
釧路市阿寒町下仁々志別11番
TEL. 0154-56-2121
https://www.city.kushiro.lg.jp/zoo

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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