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釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。
今月のどうぶつ:シマフクロウ
フクロウ目フクロウ科
【生息地】極東アジア
釧路市動物園ではオス5羽、メス11羽、不明3羽を飼育しています。
北海道の生息数は約250羽のみ
極東アジアで暮らすシマフクロウは、日本では北海道の東部を中心に姿を見ることができます。かつては、道内各地で見られたようですが、巣に使われる大きな木の伐採や、川の改修などによりえさとなる魚が減ってしまったため、今では限られた地域に推定で250羽程度のみが生活しているといわれています。そのため、絶滅の恐れが高い絶滅危惧種に指定されています。
シマフクロウは、漢字では「島梟」と書きます。縞模様があるから「シマ」と名が付いた訳ではなく、昔の北海道の呼び名「蝦夷ヶ島」に由来しています。大きさは全長約70㎝、つばさを広げると約180㎝、体重はオス約3.5㎏、メス約4.5㎏です。1回の飛翔で数㎞しか飛べないとされており、2019年に国後島で確認された個体は、流氷を利用して北海道からわたったと考えられています。
絶滅の危機にあるシマフクロウ
釧路市動物園の繁殖の取り組み
釧路市動物園では、1975年の開園以来、飼育展示に取り組んできました。しかし、ヒナはなかなか生まれず、1993年に国内で飼育している個体を釧路市動物園に集めて繁殖の取り組みを始めた結果、1995年に世界で初めて繁殖に成功しました。その後、釧路市が「保護増殖事業者」の確認を受けるなど地道な努力を積み重ね、令和6年度は2つのつがいから3羽のヒナが育ちました。これまでに、21羽が巣立っています。
国内での飼育数も徐々に増えて、現在では道内の旭山動物園や円山動物園の他、秋田市大森山動物園・長野市茶臼山動物園・那須どうぶつ王国(栃木県那須町)といった本州の動物園でも姿を見ることができます。
釧路市動物園では、環境省などと協力してシマフクロウの保護に取り組んでおり、豊かな森がもどってくることを心から願っています。
生まれたての2羽のヒナの様子
くしろニュース
「なつやすみの動物園」を開催!
7/19(土)~8/31(日)に、フンボルトペンギンやアミメキリンを間近に見られる正門近くの中央広場に、竹馬やコマ回し体験などの昔あそびコーナーを開設します。8/6(水)~8/8(金)は、短冊に願い事を書く七夕まつりを開催。ぜひ、「神」に会える釧路市動物園に遊びに来てくださいね!
くわしくは
>>> 釧路市動物園
教えて! 飼育員さん
飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!
質問
毛がある動物は、毛を切ることはありますか?
答え
羊の毛は自然にぬけないので、そのままだと体温調節ができず、熱中症や病気になってしまう可能性があります。釧路市動物園では毎年4月末ごろに、飼育している羊の毛がりをしており、小学生対象の毛がり体験も実施しています。
協力・監修/釧路市動物園
釧路市動物園
釧路市阿寒町下仁々志別11番
TEL. 0154-56-2121
https://www.city.kushiro.lg.jp/zoo

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。