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今月のどうぶつ :「イノカシラフラスコモ」
学名 : Nitella mirabilis var. inokashiraensis
生育地:井の頭池をふくめ国内3カ所で確認
分類:藻類 シャジクモ科 フラスコモ属
◯井の頭池にもともと暮らしていた生き物
アカハライモリ
学名:Cynops pyrrhogaster
分類:有尾目 イモリ科
ムサシトミヨ
学名: Pungitius sp.4
分類:トゲウオ目トゲウオ科
むかしは豊かだった井の頭池
井の頭自然文化園の水生物園は井の頭池のほとりにあります。昔の井の頭池には、たくさんの地下水がわき出てさまざまな生き物が暮らしていました。
ところが戦後、周辺に住宅が広がり道もアスファルトでおおわれ、地中にしみこむ雨水が少なくなりました。このため井の頭池ではわき水が減って水がにごり、外来種も放流され、もともと暮らしていた多くの生き物はいなくなりました。
井の頭池でおこなわれた「かいぼり」の様子
59年ぶりに復活したイノカシラフラスコモ
そんな中、井の頭池の環境を良くしたいと願う地域の人々と自治体により2014年から2018年にかけて「かいぼり」が行われました。池の水をぬき、底をかわかして外来種を駆除したところ、おどろくほどすき通った水になりました。
その結果、イノカシラフラスコモの胞子が目覚め、59年ぶりに発芽しました。このイノカシラフラスコモは、1957年に井の頭池とそこから流れ出る神田川で発見された後に新種として発表された希少な水草です。
この「井の頭」の名前を持つ水草は、地域の人々の願いと働きかけによって復活したのです。当園では、イノカシラフラスコモを展示し生育の条件を探るとともに、井の頭池の環境を多くの人に伝える活動にも協力しています。
春に美しい黄色の生殖器官をつけるイノカシラフラスコモ
いのかしらニュース
アマミトゲネズミ特設展を開催中
奄美大島に生息するアマミトゲネズミは、トゲ状の毛が背中にまばらに生えており、この毛が名前の由来になっています。生息地の開発やノネコ、マングースなどの外来種によって生息数が減りました。アマミトゲネズミの生態や動物園の守る取組みについて紹介する特設展を6月29日(日)まで開催しています。
写真提供:公益財団法人東京動物園協会
井の頭自然文化園
東京都武蔵野市御殿山1丁目17-6
TEL.0422-46-1100
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ino/

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