【エコチル特集】豊かな生態系が残る東京都の生物多様性を知ろう・守ろう!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
東京
特集
2025.05.01

【エコチル特集】豊かな生態系が残る東京都の生物多様性を知ろう・守ろう!

目次 [非表示]

都会のイメージが強い東京都だけど、自然が豊かで、多様な生態系が残されているんだ。でも、開発にともなう緑の減少など、不安な要素も残っているんだ。そんな中、生態系を守っていくには、どうしたら良いのかな?

実は、東京都は自然が豊か!

生物多様性とは、特有の個性を持つさまざまな生き物が、さまざまな異なる環境の中で、たがいの個性を活かしながら直接的・間接的につながり合っていることをいうよ。生物多様性には、動物や植物、菌類など、たくさんの種類の生き物がいること、山や川や海といったたくさんの種類の環境があること、同じ種類の生き物の中でも、色や形、模様などの個性があることという、3つのレベルの多様性があるとされているんだ。

このような生物多様性は、地球上の人間をふくむ多様な生命の長い歴史の中でつくられたかけがえのないもので、食材、水、薬品などの他、大雨被害の軽減や水質の浄化など、さまざまなめぐみを私たちにあたえてくれているよ。

東京都は、本土部から小笠原諸島にかけて南北約1700km、高低差は2000m以上あるよ。また、公園などの緑地が整備された都心部、屋敷林や田畑が残る住宅地、生物多様性の宝庫である里山や雑木林、天然林も残る山間部や特徴的な自然環境・生態系を有する島しょ部など、豊かな自然環境があるんだ。一方で、開発による緑の減少や、緑の質の低下などの課題もあるけれど、東京には今も多様で豊かな生態系が残されているよ。

3つのレベルの生物多様性

>>> 東京の生物多様性について動画で学ぼう!

野生生物を守っていこう!

そんな東京都でも、東京都レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物種のリスト)の掲載種数は、10年ごとの改定の度に増加していて、都内の野生生物の絶滅危険度の高まりが示されているよ。適切な保全策を行わないと、下図のように絶滅のおそれのある種がどんどん増えるだけではなく、これまで普通に見られていた生物種が絶滅危惧種へと移行してしまうおそれもあるよ。

そうならないために、絶滅危惧種ごとにそれぞれ保護のための対策を行うとともに、その生物種が暮らす生態系全体を保全することや、その地域に元々すんでいた生物種をおびやかす外来種への対策を行うなど、いろいろと取り組んでいるよ。私たちにも何ができるのか、いっしょに考えていこうね!

東京都レッドリスト(本土部) 掲載種数の経年変化

野生生物の生息・生育に大きなダメージをあたえている4つの危機

どのような危機があるのか、知っておこう!

開発など人間活動による危機
開発による森林伐採や湾岸のうめ立てなどによって、野生生物が生息・生育できる環境が減少しているよ。また、過剰な捕獲や採取、観光などによる“ふみあらし”も、深刻な影響をもたらしているんだ。

自然に対する働きかけの縮小による危機
里地・里山が使われなくなり、生態系のバランスがくずれ、身近に見られた生き物が減少しているよ。また、狩猟者の減少などによる二ホンジカなどの急激な増加が、植生の衰退等を引き起こしているよ。

人間により持ちこまれたものによる危機
人が持ちこんだ外来種によって、在来種が捕食されたりして生態系への影響が生じているよ。また、化学物質やマイクロプラスチックなどによる影響も問題視されているんだ。

地球環境の変化による危機
地球温暖化による気温の上昇等により、生物の分布や植物の開花時期などが変化していて、今後さらなる生態系の変化を引き起こす可能性があるよ。

参考:
>>> 東京都「東京都生物多様性地域戦略」 
>>> 東京都「東京都の保護上重要な野生生物の戦略的保全方針」 

野生生物保全のために、私たちができること!

野生生物を守るために、私たちができることを見ていこう

その1. 野生生物にせまる危機などについて知る

絶滅のおそれがある野生生物や生物多様性の重要性等について、調べてみよう。まずは、「事実を知る」ことが保全の第一歩だよ!

その2. 自分ごととして行動する

【行動1】野生生物は自然の中で楽しむ
野生生物を持ち帰ったり、安易に別の場所に移したりしないようにしよう。別の地域に持ちこんでしまうと、その地域にもともと生息・生育していた野生生物に影響をあたえることがあるよ。

【行動2】野生生物とは適切な距離をとる
野生生物へのえさやりはやめよう。野生生物が人の生活圏に近付くことで、生態系のバランスがくずれたり、人間の生活への被害を引き起こしたりすることがあるよ。

【行動3】ペットは責任を持って最後まで飼う
ペットを野外に放すと、もともとその地域にいた野生生物を食べたり、すみかをうばうといった影響をあたえることがあるよ。

【行動4】希少種の情報をSNSで拡散しない
インターネットを通じて広く情報が公開されることで、盗掘や密猟、生育地のふみあらしなど、野生生物のすみかへの悪影響が引き起こされるかもしれないよ。

その3. 保全に向けた行動の輪を広げる

身近で行われている自然環境の保全や再生のためのボランティア活動に参加してみよう! 機会があったら、ぜひ参加してね。

今月の『わが家の環境局長』Vol.9

おうちの環境リーダーとして活躍しているお友達を紹介するよ!

江戸川区立小松川第二小学校 4年生 K.Y.さん

僕は江戸川区の小松川地区に住んでいます。近くに大きな公園もありこの街が大好きです。わが家の環境局長として考えたのが「魅力的な街を保つために行動する」です。僕ができることとして「交通ルールを守る」と「元気よく挨拶をする」を実践しています。それに挨拶を元気よくすれば皆のきもちがよくなるので、よい街になると思います。

★東京都では、小学生のキミを「都知事が環境局長に任命」する取組を実施中♬  みんなの活動を公式インスタグラムでみてみてね。
>>> 公式インスタグラム


協力:東京都

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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