【エコチル特集】3500種類以上の生き物が絶滅してしまうかも⁉レッドデータを知って生き物を守ろう!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
湘南
特集
2024.03.04

【エコチル特集】3500種類以上の生き物が絶滅してしまうかも⁉レッドデータを知って生き物を守ろう!

目次 [非表示]

今、日本で「絶滅のおそれのある野生生物」と考えられている生き物は3772種。今回は、そんな生き物たちを守るためのレッドデータについて考えてみよう。

※ここでは、1つの種が日本国内から完全にいなくなること。

日本にいる生き物は9万種以上!

みんなの周りには、ペットや動物園の動物たち以外にも、たくさんの生き物がいるよね。道の木の上にいる鳥や公園にいる虫など毎日よく目にする生き物から、めったに見ない生き物まで、日本には、ちゃんと認識されている生き物だけでも9万種以上いて、分類されていない物もふくめると30万種をこえると考えられているんだ。すごい数だよね。でも、絶滅してしまった生き物や絶滅するおそれのある生き物もたくさんいるんだ。

野生生物を守るためのレッドデータブック

みんな、「生物多様性」という言葉は覚えているかな。エコチル10月号で紹介した言葉なのだけど、みんなの暮らしは、たくさんの種類の生き物が作り出す自然のめぐみに支えられているよ。その自然はとても複雑なバランスで成り立っていて、自然を守るためには、野生生物1つ1つの種を守っていくことがとても大切なんだ。

そして、野生生物を守るために欠かせないのが、絶滅のおそれのある野生生物の情報をまとめた「レッドリスト」や「レッドデータブック」! 作られる目的は、保護しなければならない種の情報を整理して、しっかり把握するためなのだけど、同時にたくさんの人に知ってもらうためでもあるんだ。

みんなも日本、そして神奈川の生き物を守るために、「レッドリスト」や「レッドデータブック」を見てみよう。

「レッドリスト」「レッドデータブック」って何?

レッドリスト
絶滅のおそれがある野生生物の種のリストのこと。

レッドデータブック
レッドリストに、それぞれの種の生態や生息状況、減っている原因などの説明を加えた本のこと。世界では、国際自然保護連合(IUCN)が1966年に初めて発行したよ。

レッドデータブックの種類
IUCNが作る〝グローバル版〟

環境省が作る〝全国版〟

各都道府県、市町村が作る〝地域版〟

絶滅危惧種を守るために欠かせない!
神奈川県版レッドデータブックを見てみよう

神奈川県内の絶滅のおそれのある野生生物をまとめた「神奈川県版レッドデータブック」。見方を簡単に紹介するよ!

サイトで簡単に見られる!
>>>環境省や県のレッドデータブックを見てみよう!

科名:種の科名

種名:種の和名、学名

2022のカテゴリー区分:今回県が評価した結果のランク

過去のカテゴリー区分:1995年、2006年の県レッドデータブックのランク

環境省カテゴリー区分:環境省レッドリスト2020のランク

【判定理由】:選び、評価した理由
【生育環境・生態】:種の一般的な生育環境や生態
【現状】:県内での種の今の状況
【国内分布】:日本国内でどこにどのくらいいるか
【存続を脅かす要因】:絶滅しそうになっている原因
【特記事項】:保護の状況、標本の情報など

レッドリスト生物調査って何をするの⁉
密着!レッドリスト昆虫類・クモ類調査

神奈川県では、「神奈川県レッドデータブック」の昆虫類・クモ類の更新をするために、令和4年3月から調査をしているよ。どんな調査をしているのか見てみよう!

調査方法
神奈川県内全域で、約100人で、春(4~5月)、初夏(6~7月)、夏(8月)、秋(9~10月)、冬(11~3月)に各1回以上の捕獲調査を行う。

捕獲は必要なの?
種を間違いなく特定したり、後で、間違いが無かったか確認したりするために、捕獲して標本にすることが必要なんだ。

※捕獲調査は、環境省や各市町などに許可を得て行っています。

捕獲調査の様子を少しのぞいてみよう!

2023年8月 箱根仙石原でライトトラップ!

❶夜間、18時~22時くらいまで、白い布を張り、強い光を当てて、集まって来た昆虫類をあみでつかまえたよ。主なターゲットはガ類。
❷大型のガ類、オオミズアオ。神奈川県では絶滅危惧種ではないけれど、開発や雑木林の伐採による生息環境の悪化が心配されるよ。

2023年9月 丹沢山地でカミキリムシを捕獲!

❸棒で木の枝や葉っぱをたたいて、落ちてきた昆虫をあみでつかまえるビーティング法で捕獲したよ。
❹セダカコブヤハズカミキリは、後翅が退化して飛べずあまり移動できないから、開発による生息地の分断は絶滅につながるんだ。

かれ葉をひっくり返したらコウモリがねていたなんてことも!

これらの調査をたくさんして、検討した結果を新しい神奈川県版レッドリストやレッドデータブックに載せる予定なんだ。みんなが知っている身近な生き物が、実は絶滅危惧種で、地域の人が一生懸命守っている生き物かもしれない!ぜひレッドデータブックを見てみてね!


監修 : 神奈川県自然環境保全課

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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