【京都大学白浜水族館だより】幼魚のしま模様は、変化する「サザナミヤッコ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
和歌山
動物園だより
2023.05.08

【京都大学白浜水族館だより】幼魚のしま模様は、変化する「サザナミヤッコ」

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サザナミヤッコ

学名:Pomacanthus semicirculatus (Cuvier, 1831)
スズキ目 キンチャクダイ科
生息地:日本では、伊豆・小笠原諸島、三浦半島南岸 ~九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、琉球列島

採集時の幼魚。成魚と幼魚では、別の種類の魚のように、模様が異なります。

幼魚のしま模様は、変化する

サザナミヤッコは、沖縄などの暖かい海のサンゴ礁や岩礁に生息し、体長は30㎝ほどになります。和歌山県でも、南部の岩礁で幼魚が見られ、まれに、さしあみで、成魚がとれることがあります。

成長にともない、体の模様が変化するサザナミヤッコ。幼魚のときは、黒っぽい体色で、青と白のしま模様があります。大きくなるにつれて、数本だったしまの数は増えていき、1年で十数本ほどになります。さらに大きくなると、体が黄色味を帯び、斑点が現れます。最終的には、しま模様は消え、成魚の模様になります。


幼魚(採集から1年後)

模様の変化は、成魚から追いはらわれないため

なぜ、幼魚と成魚で、ここまで模様が異なるのでしょうか。成魚には、縄張りを作り、同じ模様の他の個体を、縄張りから追いはらう習性があります。幼魚は、成魚と異なる模様を持つことで、成魚同士の争いに巻きこまれずに済むと考えられています。

白浜水族館では、現在、幼魚と成魚を飼育しています。採集時は、500円玉くらいの大きさだった幼魚は、2年半経ち、20㎝くらいになりました。模様も変化し、成魚と幼魚の中間くらいになっています。また、丸みを帯びていた背びれの後ろはしも、現在はのびており、成魚の特徴が現れ始めています。幼魚と成魚を見比べることができるのは今だけです。水族館へおこしの際は、ぜひ注目して下さい。


幼魚(採集から2年半後)

京都大学白浜水族館ニュース

飼育スタッフといっしょに、いその生き物を調べよう!

白浜水族館では、5月20日(土)と6月17日(土)にいそ採集体験のイベントを行います。飼育スタッフといっしょに、水族館の裏のいそで生き物を採集して、名前を調べませんか。参加には事前申込が必要です。定員に達し次第、応募は締め切ります。くわしくは、水族館ホームページを参照ください。


写真提供:京都大学白浜水族館

京都大学白浜水族館
〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町459
TEL 0739-42-3515
https://www.seto.kyoto-u.ac.jp/aquarium/index.html

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