【井の頭自然文化園だより】なぜ毛刈りが必要? なぜ群れで暮らすの?「ヒツジ」のなぞにせまる!|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
東京
動物園だより
2023.04.10

【井の頭自然文化園だより】なぜ毛刈りが必要? なぜ群れで暮らすの?「ヒツジ」のなぞにせまる!

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ヒツジ(コリデール)

学名: Ovis aries (domestic)

文化園で見られる家畜

ヤギ(品種不明)
学名:Capra hircus(domestic)
偶蹄目 ウシ科

アヒル(コールダック)
学名:Anas platyrhynchos(domestic)
分布:カモ目 カモ科

ヒツジたち、まもなく年に一度の毛刈り

井の頭自然文化園の2頭のヒツジはコリデールという品種で、暖かく丈夫な毛がたくさんとれるよう改良されてきたため、毛は自然にぬけ落ちることなく一生のび続けていきます。

私たちは春が来ると「暖かくなった」と感じますが、ヒツジたちにとっても、そろそろ暑さを感じるころでしょう。それもそのはず、ぬけ落ちない毛はどんどんのびて、重さは1年で3〜4kgにもなり、セーターを重ね着しているような状態なのです。そのため、当園では暑い夏を前に、飼育係が毛刈りを行っています。今年も間もなく毛刈りの時期がやって来ます。

毛刈り直後の様子

いつもいっしょ、2頭のヒツジ

ヒツジは仲間といることに安心する動物です。当園の2頭、アリス(メス)とベル(メス)も例外ではなく、いつもおたがいを視界に入れて生活しています。「相手がいない!」となると「ベェー!ベェー!!」と大きな声で鳴き、たがいを探し回ります。大好きなえさの牧草も食べることができないほど取り乱してしまいます。

こんな話を聞くと、さぞ仲が良いのだろうと思うかもしれませんが、寄りそって休む、たがいに毛づくろいするなど、サルなどの社会生活を送る動物で見られるような様子はありません。「仲間といることは安心」というのは、ヒツジに組みこまれた本能なのです。

草食動物たちは仲間と群れでいることで、捕食動物により早く気付き、生き延びる確率を増やすためと考えられています。たがいを絶対的に必要としているのに、仲が良さそうな素ぶりがない…なんだか不思議な動物ですね。

いのかしらニュース

私たちの暮らしに身近な家畜動物

家畜とは、ウシやブタ、ニワトリなど、肉や卵、乳などを得るために、人が改良してきた動物です。その他、毛糸を取るためのヒツジや、荷物や人を運ぶウマ、そして、今はペットとして飼われているモルモットなども家畜にふくまれます。動物園で家畜を観察しながら、人との関係を考えてみましょう。


写真提供:公益財団法人東京動物園協会

井の頭自然文化園
東京都武蔵野市御殿山1丁目17-6
TEL.0422-46-1100
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ino/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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