【東海大学海洋科学博物館だより】ピンセットを持つ魚「フエヤッコダイ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
動物園だより
2022.11.07

【東海大学海洋科学博物館だより】ピンセットを持つ魚「フエヤッコダイ」

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フエヤッコダイ

学名: Forcipiger flavissimus
生息地:相模湾以南のサンゴ礁や岩礁域、インド洋~太平洋
スズキ目 チョウチョウウオ科

フエヤッコダイの体の特徴

葉っぱのように、うすい体をしています(側扁形)

ピンセットを持つ魚

細長い口が特徴のフエヤッコダイは、暖かいサンゴ礁の海で多く見られるチョウチョウウオの仲間です。細長い口は管状になっていて、口先をピンセットのように使ってサンゴや石のすきまにいる小動物をつまみ出して食べています。学名でも名は体を表すように、ラテン語で「Forcipiger=ピンセットを持っている、flavissimus=非常に黄色い」と付けられています。

駿河湾では夏から秋ごろに、海流(黒潮)などによって南から運ばれた小さいサイズの個体がときどき出現します。あまり大きな個体は見かけませんが、成長すると体長約18㎝になります。

糸状の歯。口は先端だけ開閉します

武器は背びれのとげ

飼育中に気をつかうのは、フエヤッコダイ同士のケンカです。海の中では単独またはペアで過ごすことが多いためか、同じ水槽に複数展示していると、ケンカが始まり相手を弱らせてしまう場合があります。

フエヤッコダイの主な武器は、するどいとげがある背びれです。背びれを立てて闘牛の角合わせのように相手に向け、いかくやこうげきをしている様子を見かけます。さらに背びれは、身を守るためにも使われます。海で岩かげや洞窟のような穴の中にいるときは、かべとなる岩などにお腹を寄せ、危険が多い明るい方に背を向けて過ごす習性があります。水槽内では、夜間にその様子が見られます。

お腹を岩に寄せて休んでいる様子(水槽内、夜間)

東海大学海洋科学博物館ニュース

「2022フォトコンテスト」
入選作品を展示中!

3月22日(火)から5月8日(日)まで『東海大学海洋科学博物館・自然史博物館2022フォトコンテスト』が開催され、館内の魚や恐竜骨格標本などを撮影した写真作品が集まりました。多くの応募の中から審査を行い、各部門の入選作品を決定。現在、入選作品を掲示中です! みなさんの力作をぜひご覧ください。


写真提供:東海大学海洋科学博物館

東海大学海洋科学博物館
〒424-8620 静岡県静岡市清水区三保2389
TEL.054-334-2385
https://www.umi.muse-tokai.jp/

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エコチル編集部

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