【須磨海浜水族園だより】生息数が激減・・・絶滅のおそれのある魚「スイゲンゼニタナゴ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
兵庫
動物園だより
2022.10.11

【須磨海浜水族園だより】生息数が激減・・・絶滅のおそれのある魚「スイゲンゼニタナゴ」

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スイゲンゼニタナゴ

学名:Rhodeus atremius suigensis
コイ目 コイ科
生息地:岡山県と広島県の一部

繁殖期である春になると、オスは体の色がよりくっきりとあざやかな婚姻色※になります。 ※繁殖期に現れる、平常時とはちがう体色や模様のこと

生息数が激減… 絶滅のおそれのある魚

体長3~5㎝のタナゴの仲間で、日本にいるタナゴの中で一番小さい種類です。平野部から山間部の流れのゆるやかな河川や用水路に生息しています。近年、河川の改修工事や密漁、外来生物の影響により生息数が激減し、国内希少野生動植物種に指定されています。

メスの産卵管

繁殖期になると、メスは産卵管と呼ばれる管状の器官が2㎝くらいまでのび、その産卵管を使って、二枚貝の中に卵を産みます。実は貝の中は、卵や稚魚が守られつつ、常に新鮮な水がゆっくりと流れるという、稚魚の生育に最適な場所なのです。2日ほどでふ化し、20日ほど経つと貝から稚魚が出てきます。


人工授精から1カ月後


人工授精から3日後

 須磨海浜水族園での 人工繁殖の取り組み

須磨海浜水族園では、野生のスイゲンゼニタナゴが絶滅してしまった場合に備えて、繁殖に取り組んでいます。必要な二枚貝の飼育が難しく、自然繁殖は安定しないため、人工繁殖を行っています。

メスのお腹を少しおして卵を採り、そこにオスの精子をかけて授精させます。受精卵はふ化率の高いとされる約21℃の水温で飼育します。人工授精から3日でふ化し、16~20日ほどで稚魚に成長し、1年後には繁殖ができるまでに成長します。

スマスイニュース

「大水槽の餌やり解説」やってます!

毎週火・木・土曜日の15時30分から、「大水槽の餌やり解説」を実施しています。スマスイで一番大きな「波の大水槽」にいる生き物たちのえさを食べる様子を観察しながら、飼育員が解説します。どんなえさをどのように食べるのかなど、このイベントでしか見られない、えさやりの様子をぜひご覧ください。


写真提供:須磨海浜水族園

神戸市立須磨海浜水族園
〒654-0049 兵庫県神戸市須磨区若宮町1-3-5
TEL 078-731-7301
https://kobe-sumasui.jp/

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エコチル編集部

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