静岡
動物園だより
2025.12.01

【ふじのくに地球環境史ミュージアムだより】世界一大きなカニ「タカアシガニ」

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今月のどうぶつ:タカアシガニ

学名: Macrocheira kaempferi
十脚目 クモガニ科
生息地:日本周辺の太平洋側及び岸周辺と台湾東方の深海

特徴:メスよりオスが大きく、大型のオスは、こうらのはば40cm、重さは40kgに達します。普段は深海に生息していますが、春には水深50m程の場所で産卵します。

世界一大きなカニ

タカアシガニは世界最大のカニであり、世界最大の節足動物です。カニの仲間には10本のあしがあって、一番前のあしにはハサミがあり、このあしが一番長いあしです。

そして、最大級のタカアシガニでは、一番前のあしを拡げた大きさが3.8mにもなります。その巨大さはだれもがおどろくほどで、世界中の水族館や博物館の人気者です。生息地は、東北地方から九州沿岸にかけての太平洋側と台湾近海の深海で、日本周辺の海域の固有種です。中でも駿河湾は代表的な産地として有名で、特に伊豆半島西部の戸田などで漁獲されています。

生簀の中のタカアシガニ

深海の珍味

タカアシガニは食用にもされます。全国的にはほとんど流通していないものの、伊豆半島戸田の食堂や民宿で食べることができます。食用のカニといえばズワイガニやケガニが有名ですが、それらと比べてもけたちがいに大きなこのカニは、身が大きく「食べがい」があるものです。

この巨大なカニは水深200メートルより深い深海にすんでいて、主に冬から春にかけての底曳網漁でとられています。生態については不明なことも多いのですが、大きく成長するのには長い年月がかかることが分かっています。タカアシガニを守り続けるためには、管理しながら利用することが重要です。

一度は食べたいタカアシガニ料理

ふじのくに地球環境史ミュージアムだより

企画展「サクラ×さくら」

初春から約半年の間に数百種類のサクラが各地でさきほこり、国内で唯一サクラエビの漁が行われる「さくら王国」静岡県。今回の企画展では、多彩なサクラの姿やサクラエビの生態、それらの「さくら」と人の関わりなどを紹介します。特に100種類のサクラの花を透明なアクリルに閉じこめた実物標本は、必見です。会期は来年5月24日(日)まで。


写真提供:ふじのくに地球環境史ミュージアム

協力・監修/ふじのくに地球環境史ミュージアム
静岡県静岡市駿河区大谷5762
TEL:054-260-7111
HP:https://www.fujimu100.jp/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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