静岡
動物園だより
2025.11.04

【スマートアクアリウム静岡だより】血液は医学の救世主?「アメリカカブトガニ」

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今月のどうぶつ:アメリカカブトガニ

学名:  Limulus polyphemus
カブトガニ目 カブトガニ科
生息地:南アメリカ: オリノコ川上流域/ネグロ川流域

カブトガニの祖先は、2億年前から地球上に生息していたといわれ、現代の姿と変わりなく、そのためカブトガニの仲間は生きた化石といわれています。

カブトガニの体の仕組み

肉食寄りの雑食性で、野生では主に二枚貝を好んで食べます。口は体の裏側、あしの中央にあります。あごがないため、あしの付け根にある複数の突起を動かし、えさを細かくして食べます。

カブトガニはそれぞれ役割の異なる眼を5つ持っています。背中側には光を感じるための単眼と、物を立体的にとらえるための複眼がそれぞれ2つずつあり、腹側には光を感じるための腹眼が1つあります。

エビを捕食中のアメリカカブトガニ
あしの付け根に口があります

カブトガニの血液は医学の救世主?

カブトガニの血液は、病原菌と反応すると固まる性質を持っており、この性質を利用して、医療器具に病原菌が付着していないかを調べることができます。新型コロナウイルスが蔓延した際にも、アメリカカブトガニの血液が活躍しました。

ただその一方で、アメリカカブトガニの産卵地であるアメリカのデラウェア湾では、個体数が減少しているという結果が出ており、血液を採集したアメリカカブトガニを追跡すると、その内の30%が死んでしまうことが分かりました。

アメリカカブトガニが減少すると、アメリカカブトガニやその卵を捕食する鳥や魚などに影響がおよび、生態系に悪影響をおよぼしてしまいます。現在では、アメリカカブトガニの血液にかわる薬品の開発や、アメリカカブトガニの幼生を放流することで個体数の減少対策を行っています。

アメリカカブトガニの背中側の目
大きい方が複眼で小さい方が単眼です

スマートアクアリウム静岡だより

ガラ・ルファの赤ちゃんが生まれました!

スマートアクアリウム静岡で生まれたガラ・ルファの赤ちゃんを展示しています。ガラ・ルファはドクターフィッシュとも呼ばれ、人の角質を食べに手や足に吸い付いて来ることで有名です。生まれたての稚魚はとても繊細なためバックヤードで飼育していましたが、今は成魚といっしょに展示していますので、見比べてみてくださいね。


写真提供・協力・監修/スマートアクアリウム静岡
静岡市葵区御幸町10番地の2 松坂屋静岡店本館7階
TEL:050-3131-9211
HP:https://smartaqua-sz.jp/

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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