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北海道では、毎年増え続けているエゾシカを捕獲し、利活用する取り組みを進めています。大切な資源としてどのように利活用されているか、いっしょに見てみましょう。
推定73万頭! 増え続ける北海道のエゾシカ
北海道で、毎年エゾシカが増え続けていることを知っていますか。現在、推定で73万頭(令和5年度)が生息し、人が住む場所にまで生息地を広げています。そのため、農作物や樹木の皮を食べる農林業被害や、車や列車と衝突する事故など、自然環境や私たちの生活に大きな影響をおよぼしています。(図1)
エゾシカをつかまえて数を調整しないと、4~5年で2倍に増えてしまうと考えられています。令和5年度は、約16万頭のエゾシカをつかまえましたが、生息数は増え続けています。さらに、一部の地域では狩猟に出られる人が減っていることも、近年問題となっています。

[図1]
エゾシカによる問題
大きなオスで約150㎏!大型冷蔵庫と同じ大きさ!!
農林業被害 年間51億円 ※令和5年度

交通事故 年間約5,500件※令和6年

列車支障 年間3,900件以上※令和6年度

写真提供:阿部幹雄氏
大切な森のめぐみ エゾシカを有効活用
北海道では、つかまえたエゾシカを資源として有効活用する取り組みを進めています。食肉や皮革製品に加工する他、ペットフードに加工、角の利用など、エゾシカはさまざまに利用できる北海道の森のめぐみです。
道内にはエゾシカを衛生的に処理するための認証施設が22カ所あり、安全・安心なエゾシカ肉を食べることができます。エゾシカ料理を味わえるお店や、エゾシカ肉を販売しているお店、給食にエゾシカ肉を取り入れている学校もあります。 また、エゾシカの角や革を使った製品も多く作られています。
大切な命であり、北海道の森のめぐみであるエゾシカに感謝しながら、利活用していきましょう。
エゾシカを利活用する北海道の取り組み
肉
・エゾシカ肉は高タンパクで低カロリー、鉄分が豊富。
・部位によっていろいろな味わいを楽しめる。
炭火焼
エスカロップ
革・角
・革は軽くてやわらかく、はだざわりが良いのでバッグや小物にぴったり。通気性が良く、洋服にもおすすめ。
・角の形を活かした魅力あふれる製品。
バッグ
インテリア製品
手袋
ペットフード
・生肉、ジャーキー、ふりかけ、デンタルガムなど種類豊富。
・栄養価が高く消化が良いので、体力が落ちてきた高齢動物やダイエットさせたい動物にもおすすめ。

その他
・道内各地のお店がエゾシカ料理等を提供する「エゾシカフェア」
・エゾシカ肉料理教室
・エゾシカの革・角を活用したクラフト体験
・小中高校等で出前講座 など

エゾシカフェア
今年度の開催予定
12月10日(水)~ 2026年2月11日(水・祝)
エゾシカ出前講座
エゾシカの生態や対策などについて学ぶ講座を学校などで行っています。
講座の内容(例)…講義、エゾシカ肉の試食、クラフト体験など
三笠高校の生徒が考案!
エゾシカレシピ
エゾシカは、アイヌの人々にサケと同じく重要な食料として親しまれてきました。また、欧米でもシカ肉は「ジビエ」として親しまれています。ここでは、三笠高校調理部の生徒が考案したエゾシカ肉のレシピを紹介します!
エゾシカ肉のキーマカレー

材料(4人分)


作り方
①☆を細かくみじん切りにする。ゴボウは皮をよく洗い、水につけない。レーズンは軽く洗ってから切る。
②エゾシカ肉ミンチを両面焼き目が付くように焼き、ある程度焼けたらほぐすようにしっかりといためる。
③玉ネギを飴色になるまでいためる。
④なべにサラダ油とバターを入れ、ニンニク、ショウガをいためる。香りが出たらニンジン、ゴボウをいためる。
⑤④に①のレーズン、トマト水煮、トマトピューレ、②、③、★を加えていため合わせる。
⑥◎で味を調える。 皿に白飯を盛り、キーマカレーを上にかける。乾燥パセリをふりかける。 キーマカレーの中央をくぼませて、卵黄をのせる。
POINT
・エゾシカ肉をいためるときに焼き目をしっかり付け香ばしさを出したいので、フライパンに肉を入れたら、最初はあまりさわらないようにしましょう!
・玉ネギの加熱をする際は、元の分量の約半分ぐらいになるまで加熱すると、あまみが強く感じられるルーになります。
毎月第4火曜日はシカの日!!
>>> コック帽をかぶった「おいシカ」が目印! エゾシカ肉を「食べられる・買えるお店」の情報はこちら

エゾシカ肉処理施設認証マーク
「エゾシカ肉処理施設認証制度」のマークは、高度な衛生管理を行っている施設で生産されるエゾシカ肉とその肉を使用した加工品にだけ付いています。安心・安全なエゾシカ肉を購入するときの目安にしてください。

監修:北海道環境生活部自然環境局野生動物対策課エゾシカ対策係
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。






