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現在、ほぼ全量を輸入にたよっている、植物に必要な栄養素の1つ「リン」。このリンを下水から取り出して再利用しようと、横浜市は力を入れているよ。そんな「再生リン」についてくわしく見ていこう!
植物に必要な三大栄養
植物に必要な栄養素は17種類あるといわれているよ。その中でも、葉の成長をうながす「窒素」、開花や実がなるのをうながす「リン」、根の発育をうながす「カリウム」は三大栄養素とよばれ、植物を育てるのに欠かせないんだ。日本ではそれらのほぼ全量を輸入にたよっているため、国際情勢によって価格が大きく変動したり、手に入りにくくなったりすることも。国は肥料の国産化・安定供給を目指して議論を本格化させる中、注目を集めるようになったのが下水だよ。 実は、下水には多くのリンがふくまれていて、ここからリンを取り出して肥料にできれば、輸入だけに依存しない国内での資源循環が生まれ、食料安全保障の強化にもつながるんだ。さらに、下水処理の工程で、下水にふくまれるリンの成分を化学的に取り出した「再生リン」は、リンの成分が豊富で、有害成分の混入リスクもほとんどなく、肥料として利用しやすい特長があるよ。
「はま巡リン」の誕生!
横浜市では、令和4年(2022年)度に月島JFEアクアソリューション株式会社と共同で、下水汚泥から効率的にリンを回収する技術に関する実証実験を開始させ、2024年には北部汚泥資源化センター内にリン回収施設が完成! 横浜の下水道から生まれた再生リンを、再生を表す「巡る」という字と「リン」を合わせて「はま巡リン」と名付け、試験的な利用も進められているんだ。横浜市は人口370万人以上の大都市でありながら、農業も盛んで、耕地面積・農家戸数・農業産出額は神奈川県No.1だよ。よりたくさんの農家で「はま巡リン」が使えるようになると良いね!
出典:肥料をめぐる情勢(農林水産省・令和7年9月)
リンが循環していく様子を見てみよう!!
下水にふくまれるリンは、肥料として、そして農産物となって私たちの所へもどり、下水へと帰っていくよ。再生リンを使って育てた農産物を食べることは、リン資源の循環につながるんだ!
>>>「再生リン」についてくわしくはこちらから!!
再生リン入り肥料「みんなのこえ」が誕生!!
再生リン入り肥料の愛称と製品パッケージのデザインが決定!
2026年1月からの販売が予定されているよ。
愛称「みんなのこえ」には3つの想いがこめられているよ
①持続可能な農業の実現を目指す農家の「声」
②循環型社会の形成を目指したサーキュラーエコノミーの「エコ」
③地球にやさしく、環境に配慮したエコロジーの「エコ」
パッケージに記されている「8-8-8」「12-5-5」の数字は、窒素、リン酸、カリウムの 配合割合を表しているよ。
「8-8-8」窒素8%、リン酸8%、カリウム8%で、作物全般に使いやすいとされる
「12-5-5」 窒素12%、リン酸5%、カリウム5%で、リン酸とカリウムが過剰な畑に向いている
「浜いもプロジェクト」スタート!
再生リン入り肥料を使って、サツマイモが育てられているよ。このプロジェクトでは、栽培するサツマイモを“浜いも”と名付けて、新たなブランド化を目指しているんだ。

協力 : 横浜市みどり環境局、下水道河川局
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。






