東京
動物園だより
2025.10.06

【上野動物園だより】氷河期から生き残った鳥「ライチョウ」

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今月のどうぶつ:ライチョウ

学名: Lagopus muta japonica
キジ目 キジ科
生息地:日本(本州)

「日本の鳥Ⅰ」で見られる仲間たち

ルリカケス
学名:Garrulus lidthi
生息地:日本(奄美群島)
分類:スズメ目 カラス科

リュウキュウアカショウビン
学名:Halcyon coromanda bangsi
生息地:東・東南アジア
分類:ブッポウソウ目 カワセミ科

氷河期から生き残った鳥

ライチョウは北半球北部に広く生息するキジの仲間です。その中でも日本のライチョウは、氷河期に陸続きだったユーラシア大陸からわたって来たといわれています。

日本アルプスなどの高山に暮らすため、厳しい環境の中で生きぬくさまざまな特徴があります。羽が年に3回生え換わり、冬は雪と同じ白、夏は岩や石に似た黒、秋は高山植物のような茶褐色というように、山の景色に体の色を合わせることで天敵からかくれて身を守ることができます。

また、あし先まで羽が生えていることで、雪にうもれずに歩くことができ、体温を保てるようになっています。さらに、主食となる高山植物には毒がありますが、特別な消化能力により食べることができます。

冬羽から夏羽に生え換わってきているオス

地球温暖化による減少

温暖化により生息地の気温が高くなった影響を受けて、生息数が減っています。これまで高山帯に生息していなかった動物が侵入してきて、ライチョウを食べてしまったり、高山植物を食べてしまったりするなど原因はさまざまです。

絶滅から救うため、動物園でライチョウを増やし、山に放す取り組みや、生息地の環境保護などが行われています。寒い環境に適応したライチョウを絶滅させないためにわたしたちができることは何か、一人ひとり考えてみましょう。

うえのニュース

スマトラトラの子どもが生まれました!

動物園同士で協力しながら絶滅危惧種であるスマトラトラの繁殖を進めている中、7月2日(水)にスマトラトラの「ミンピ」が2頭の子どもを出産しました。性別はオスとメスの1頭ずつです。写真は8月3日(日)にワクチン接種と体重測定をしたときのものです。オスは4.6㎏、メスは4.34㎏、2頭とも順調に成長しています。


写真提供:公益財団法人東京動物園協会

恩賜上野動物園
東京都台東区上野公園9−83
TEL.03-3828-5171
https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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