【旭山動物園だより】大きな鳴き声の秘密は?「ハクチョウ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2025.05.12

【旭山動物園だより】大きな鳴き声の秘密は?「ハクチョウ」

目次 [非表示]

旭山動物園の獣医師・佐藤伸高さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです。

今月のどうぶつ:ハクチョウ

カモ目 カモ科
【生息地】カムチャッカ半島やサハリン(オオハクチョウ)、ユーラシア大陸北部(コハクチョウ)、日本

旭山動物園では、オオハクチョウ3羽とコハクチョウ1羽を飼育しています。(性別不明)

大きな鳴き声の秘密は?

ハクチョウは、春と秋に北海道にやって来るわたり鳥です。旭川は田んぼが多いので、長い旅の途中にハクチョウが田んぼに下りて、落ち穂を食べる姿を見られます。旭山動物園では、ととりの村でオオハクチョウとコハクチョウを飼育しています。見た目はそっくりですが、体が大きくてクチバシの黄色い部分が広いのがオオハクチョウです。

ハクチョウは優雅にうかんでいますが、水中では水かきのついた大きな足を前後に動かしています。主食は水草です。泳ぎながら長い首を水中につっこんで逆立ちの状態になり、川底の水草を食べます。その他にも昆虫や貝などを食べます。動物園では水草の代わりにモヤシと水鳥用のペレットをあたえています。

ハクチョウの仲間はとても大きな声で「コォー、コォー」と鳴きます。息を吸うための気管が胸の中でぐるぐる巻きになっており、まるでラッパのように声を大きくしていると考えられています。

黄色い部分が広いオオハクチョウ

北海道にやって来るわたり鳥

春、田んぼにいたハクチョウはすぐにいなくなり、コハクチョウは日本から4000㎞もはなれたユーラシア大陸北部、オオハクチョウはカムチャッカ半島やサハリンに行って繁殖をします。5~6月に産卵をして1カ月後にはふ化、その3カ月後にはヒナは飛べるようになり、秋に家族で越冬のために日本にやって来ます。ヒナは羽が灰色なので、よく見ると親子のちがいが分かります。

オオハクチョウやコハクチョウは、絶滅は心配されていませんが、日本各地で越冬の飛来数が減っているとの報告もあります。動物園で身近な野生動物であるハクチョウについて知ってもらえればと思います。

体が小さい方がコハクチョウ

長い首を水中につっこんで水草を食べます

あさひやまニュース

夏期開園中!

旭山動物園は4月26日(土)から夏期開園を行っています。冬はあまり外に出ていなかったキリンやカバなどを見に来てください。

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えます!

質問

動物園には何種類の動物がいるんですか?

答え

旭山動物園では、116種類、699頭の動物を飼育しています。ほ乳類や鳥類、そして魚や昆虫もいます。


協力・監修:旭川市 旭山動物園

旭川市 旭山動物園
旭川市東旭川町倉沼
TEL. 0166-36-1104
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

この記事の関連ワードKEYWORD
おすすめの関連記事RECOMMEND
人気の記事RECOMMEND
1
2
3