【橿原市昆虫館だより】絶滅が心配されています「ギフチョウ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
奈良
動物園だより
2025.03.10

【橿原市昆虫館だより】絶滅が心配されています「ギフチョウ」

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今月のどうぶつ:ギフチョウ

学名: Luehdorfia japonica
アゲハチョウ科
生息地:東北地方(秋田県南部)から中国地方(山口県)

幼虫。刺激すると、頭からくさいにおいのする黄色いツノを出します

絶滅が心配されています

ギフチョウは、日本の本州にしかいない、日本固有種です。小型のアゲハチョウの仲間で、はねを広げると5〜6㎝ほどの大きさになります。背中のはねは、うす黄色と黒のしま模様で、後ろばねの後部のふちに、わずかに赤や青、オレンジ色が入っています。オスとメスで、はねの模様に大きなちがいはなく、一般的には腹の先の形で見分けます。生息地は、山地の明るい広葉樹の森です。でも、そのような場所は非常に少なくなっていて、絶滅の心配があるため、各地で保護されています。

成虫は、「春の女神」と呼ばれています

幼虫は、黒い毛がたくさん生えた毛虫です。サナギは、黒くて長丸型です。幼虫の期間は、1カ月から2カ月ほどですが、サナギの期間は非常に長く、5月中旬から翌年3月中旬までの10カ月ほどにもなります。成虫は、3月中旬から4月中旬(標高が高くて寒い地域では5月)の春の短い期間にしか見ることができません。そのため、「春の女神」と呼ばれ、美しさとはかなさから、昆虫愛好家の間では非常に人気があります。昆虫館では、飼育したものから再び採卵して繁殖させる累代飼育の成虫を、春の短い期間に展示しています。習性上、放蝶温室ではうまく飛んでくれないため、水槽ケージに入れて近くで見られるようにしています。

サナギ。野外では、石の下などに入りこんで見つけづらい

昆虫館で展示している成虫

かしはらしニュース

橿原市昆虫館企画展「温室のチョウ」開催中です!

800頭以上のチョウを常に展示している昆虫館の放蝶温室。企画展では、放蝶温室で1年を通じて観察できるメインの8種のチョウたちを、パネルや標本を使ってよりくわしく解説しています。また、チョウたちを維持するために、日々奮闘している裏方の様子も紹介しています。開催期間:令和7年5月31日(土)まで


写真提供:橿原市昆虫館

協力・監修:橿原市昆虫館
奈良県橿原市南山町624
TEL:0744-24-7246
https://www.city.kashihara.nara.jp/kanko_bunka_sports/konchukan/index.html

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