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釧路市動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。
今月のどうぶつ:ゼニガタアザラシ
食肉目アザラシ科
【生息地】北半球の太平洋、大西洋を取り囲む海岸沿い
釧路市動物園ではメス3頭を飼育しています。
北海道を代表する生き物
アザラシは水中生活に適応したことで、手足がひれ状に変化したほ乳類です。ひれあし類と呼ばれ、アシカやセイウチなどもふくまれます。アザラシの仲間は19種類が世界中の海に分布しており、日本周辺ではゴマフアザラシ、ワモンアザラシ、クラカケアザラシ、アゴヒゲアザラシ、ゼニガタアザラシの5種類が生息しています。
ゼニガタアザラシは、えりも岬から千島列島の岩場にすみ、子づくりをします。シマフクロウやタンチョウなどと共に、北海道の野生動物を代表する生き物です。体長が1.2~1.5m、体重が50~170㎏ほどあります。体の表面の毛は黒っぽく、穴開きコインのような白い模様が全身にあります。こうした体の色の特徴が「ゼニガタ」の由来です。
穴開きコインのような模様
大切な調査研究
ゼニガタアザラシは、さまざまな魚類を好んで食べます。そのため、漁網に入りこみ、とれた魚を食べたり、漁網を破ったりといった被害がどうしても起きてしまいます。その一方で、今から40年ほど前から生態調査をもとに適正な保護・管理を考える研究団体や、アザラシとの共存共栄を目指す市民グループの活動が続けられています。そこではアザラシの侵入を防ぐ漁網の研究も進められているそうです。
釧路市動物園では、現在メスのゼニガタアザラシを3頭飼育しています。このうち「えりも」と「まあ」は、えりも岬と浜中町で保護された個体です。3頭とも高齢ですがとても元気です。前足を体に付け流線形の体勢で水中を移動する姿は見ていてあきることがありません。おとなりのオタリア夫婦といっしょに海獣舎でみなさんのご来園をお待ちしています。どうぞ会いに来てくださいね。
丸っこい体で泳ぎ上手
くしろニュース
10/29(火)にトンボ池の清掃をしました!
北海道ゾーンにあるトンボ池の清掃を、動物園ボランティアの協力を得て実施しました。場所によっては、こしくらいまでの水深があるなか、夏の高温でのびきったヨシをかり、みなもを取りもどすことができました。来春のエゾアカガエルの産卵も、これで観察することができそうです。
教えて! 飼育員さん
飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!
質問
1日の終わりに何をしますか?
答え
動物を寝室に入れ、落ち着くまで様子を見守ります。異常が無いことを確認し、消灯してかぎを閉めます。前の日に残したえさの量や今日あたえたえさの量、うんちの状態、歩く様子など気が付いたことを飼育日誌に書き、翌日の担当者に引きつぎます。
協力・監修/釧路市動物園
釧路市動物園
釧路市阿寒町下仁々志別11番
TEL. 0154-56-2121
https://www.city.kushiro.lg.jp/zoo
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