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今月のどうぶつ:カミクラゲ
学名 : Spirocodon saltatrix
花クラゲ目 キタカミクラゲ科
生息地:本州~九州沿岸、韓国
かさは縦長で箱のような形をしています
紙でもなく神でもなく「髪」クラゲ
カミクラゲは、数mm程度の大きさのものが多いヒドロクラゲ類の仲間でありながら、めずらしくかさの高さが10cmにもなるクラゲです。かさのふちには8カ所の大きな切れこみがあり、そこに名前の由来にもなったかみの毛のような多数の触手が束になって付いています。
触手の根本に紅色の斑点があります。これは「眼点」と呼ばれる光を感じることができる器官で、カミクラゲはその数が多いです。かさからすけて見える4つの生殖巣は、コイル状に巻いているのが特徴です。比較的大きな体とゆったりした動きのカミクラゲは、体内のつくりもふくめて観察しやすいです。
赤い斑点は「眼点」
よく見るけどなぞだらけ
春先になると日本各地に出現するカミクラゲは、水族館でもよく飼育されている種です。加茂水族館の目の前にある庄内浜では、4~5月に少数ですがまれに出現することもあります。名前も姿もよく知られていますが、実はクラゲになる前の段階の「ポリプ世代」が、どこにどのような姿で暮らしているのかはいまだに分かっていません。当館でも受精卵は採れるものの、ポリプに変態させることがとても難しく、まだはんしょくはできていません。身近でよく知られているようなクラゲたちも、まだまだ分からないこと、知られていないことがたくさんあります。
矢印で指しているところが生殖巣
かもすいニュース
機関誌「かもすい通信」発刊!
加茂水族館は2024年の6月にリニューアルオープン10周年をむかえました。それを記念して生き物のことから水族館のことまで、いろいろな情報がつまった年4回発刊予定の「かもすい通信」を始めました。当館のホームページのみでの公開となりますが、ぜひご覧ください!
写真提供:加茂水族館
鶴岡市立加茂水族館
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TEL 0235-33-3036
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