【エコチル特集】外国から来た生き物?何が問題?「外来生物」について知って考えよう|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
大阪
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2024.05.01

【エコチル特集】外国から来た生き物?何が問題?「外来生物」について知って考えよう

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世界中で問題になっている「外来生物」。
みんなは、どんな生き物のことか知っているかな。
今回は、なぜ「外来生物」が問題になっているのか、どんなことに気を付ければ良いのかを知って、みんなにできることを考えてみよう。

「外来生物」は身近にたくさんいる

アライグマ、アメリカザリガニ、ウシガエル、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)。みんなも知っている、身近な生き物だよね。実は、これらはみんな「外来生物」で、日本には約2000種類の「外来生物」がいるといわれているよ。

「外来生物(外来種とも言う)」とは、人間によって、もともとの生息地以外の場所から持ちこまれた生き物のことだよ。つまり、わたり鳥や海流に乗ってやって来る魚など、自分で移動してきた生き物は「外来生物」ではないんだ。また、外国から日本に持ちこまれるものだけでなく、日本の他の地域から持ちこまれるものもいるよ(「国内由来の外来種」と呼ぶ)。

人間はなぜ生き物を移動させるんだろう。動物はペットや家畜として、魚は食用や観賞用として、植物は緑を増やすためや園芸のため、いろいろな理由で人間はたくさんの生き物を移動してきたんだ。他にも、意図せず、外国からの荷物に植物の種や虫が付いて来たり、外国の船にたまった海水に海の生き物が混ざって来たりすることもあるよ。

何が問題?どうすれば良い?

今、世界中でこの「外来生物」が問題になっているんだよ。なぜなら、「外来生物」のなかには、繁殖力や捕食性がとても強いものがいて、もともとすんでいた生き物を食べたり、すむ場所をうばったりしているからなんだ。それによって絶滅してしまう生き物もいるよ。他にも、増えた「外来生物」に農作物を食べられたり、病気や菌が持ちこまれたりすることもあるんだ。そのような影響が大きい「外来生物」を、日本では法律で「特定外来生物」に指定して厳しく管理しているよ。

なんだかすごく悪い生き物のように感じるかもしれないけれど、忘れてはいけないのは、「外来生物」にしてしまったのは人間だということ。これ以上、悪者になってしまう生き物が増えないようにできるのも人間だよ。みんなの住んでいる大阪府に、どんな「外来生物」がいるのか、どのようなことに気を付ければ良いのか知って、これ以上増やさないためにどうすれば良いか考えてみてね。

「外来生物」は何が問題?

人の健康への影響
毒を持っているものにかまれたり、するどいトゲなどでさされたりする危険があるんだ。また日本になかった病気や感染症を持ちこむ危険もあるよ。

農作物、水産物への影響
畑のものを食べたり、ふみあらしたりするものもいて農作物に影響があるよ。同じように漁業にも影響があるんだ。

生態系への影響
もともとその地域にいる在来生物を食べたり、すむ場所をうばったりすることで、在来生物を減らしてしまうんだ。また交雑して雑種ができてしまうなど、生態系のバランスもくずれてしまうよ。

これらの影響が大きい外来生物特定外来生物に指定されているよ!

「外来生物」を増やさない!
みんなにできることを考えてみよう

入れない
「特定外来生物」は、法律で持ちこむことが禁止されているんだ。それ以外の外来生物でも、悪影響をおよぼすかもしれないから、入れないことが大切だよ。

捨てない
生き物を飼うときは、飼う前に、成長したときの大きさや子どもが生まれたときのことも考えて、しっかり最後まで責任を持って飼えるか考えよう。飼いきれなくなっても、野外に放してはいけないよ。これは植物も同じだよ。

拡げない
すでに、野外ですみついてしまっている外来生物の場合は、人間が運び、まだすみついていない場所に拡げないようにすることが大事だよ。

「特定外来生物」について法律で禁止されていること

  1. 飼育、栽培、保管、運ぶこと
  2. 輸入すること
  3. 外へ放つ、植える、まくこと
  4. 許可を受けて飼っている人が許可を受けていない人にゆずったり、わたしたりすること
  5. 販売すること

※1~3は原則禁止。4、5は禁止。

大阪府の「特定外来生物」のことを知ろう!

大阪府内では34種の「特定外来生物」が確認されているんだ。
中でも特に知っておいてほしいものを紹介するよ。

ちなみに…
大阪府「特定外来生物」はこんな生き物がいるよ

アライグマ

ウシガエル

オオクチバス
(ブラックバス)

画像提供:(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所

飼うのはOK!「条件付特定外来生物」

アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)

野外でつかまえること、ペットとして飼うこと、飼えなくなったときに無償でゆずることは問題なし!
でも、野外ににがしたり放したりすること、無償でも広く配ること、売ったり買ったりすることは法律で禁止されているから気を付けよう。

画像提供:(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所

捕獲

飼育

無償譲渡

放出

販売・頒布・購入

飼えなくなっても、自分で新しい飼い主を見つけなければならないよ!
飼う前に寿命や育て方をしっかり調べて、本当に飼えるか考えよう。

各地で急速に増加中!

クビアカツヤカミキリ

カミキリムシ科の昆虫で、元の生息地は中国やベトナムなど。サクラ、モモ、ウメなどの木に卵を産み付け、卵からかえった幼虫が木の中を食い荒らして、からしてしまうんだ。
大阪府では2015年に初めて見つかってから、すごいスピードで被害が増えているよ。

成虫は6月~8月に見られるんだ

幼虫が出すフラス(木くず・フンのまざったもの)が目印!

>>>「特定外来生物」についてくわしくはこちら

>>>クビアカツヤカミキリのくわしい対処法はこちら


監修:大阪府環境農林水産部

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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