【静岡市立日本平動物園だより】動物の中で一番頭が良い「チンパンジー」｜地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア

今月のどうぶつ：チンパンジー

学名：Pan troglodytes
霊長目　ヒト科
生息地：西アフリカ、中央アフリカ、東アフリカの熱帯雨林や開けた疎開林など

身長はオス約150cm、メス約130cm。体重はオス50～60kg、メス30～40kg。寿命は40～50年です。

動物の中で一番頭が良い

世界には約200種類以上のサルの仲間がいるといわれています。その中で人間に一番近いサルが、チンパンジーです。チンパンジーは動物界で一番頭の良い動物だといえます。器用に道具を使用し、研究では色の識別や数字の暗記ができるなど高度な知能の持ち主です。

チンパンジーには、群れで生活するという特徴があります。大きな群れになると50頭以上になるほどです。群れで生活するかれらにとって、コミュニケーションは最も重要な役目を持っています。声や顔の表情で、今の自分の気持ちを相手に伝えます。実は、チンパンジーとのコミュニケーションは、担当の飼育員にとって最も苦労することです。

主に果物や種子を食べる

仲良くなるための方法は？

飼育を担当し始めたころは、チンパンジーからは全く受け入れてもらえません。無視をくり返され、言わば空気のような存在です。ところが、飼育員を意識し始めると、チンパンジーは「おどかす」「つかもうとする」「水やツバをはきかける」、ときには「ウンコを投げる」などいやがることをたくさんします。いやがることをして、飼育員の力量を確かめているのです。かれらに認めてもらうための近道はなく、時間だけが解決方法です。ふれ合う時間を多く取れば、おたがいの距離はどんどん近くなります。ふとしたときに「あれ、いつもと何かちがうぞ」と気付くことがほとんどです。毎日が変化のくり返しで大変ですが、言葉では表すことのできないうれしさや楽しさを感じられる動物ですね。