旭山動物園だより|知ってる?動物園の役割 「種の保存」について|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2019.10.15

旭山動物園だより|知ってる?動物園の役割 「種の保存」について

目次 [非表示]

旭山動物園の飼育スタッフ・鈴木悠太さんが動物や動物園、自然について紹介するコーナーです。
今年度は「動物園の役割」について解説します。

『レクリエーション』『種の保存』『調査・研究』『教育活動』を4回シリーズでお届けします。

動物園の役割「種の保存」について

動物園には4つの役割があります。今回はその中の「種の保存」について旭山動物園としての考えをご紹介します。「種」とは「ライオン」や「キリン」のように生き物を仲間分けしたときの単位です。その「種の保存」とはどういうことでしょうか。

動物園の役割

動物園では自然界で絶滅が心配される動物を飼育しています。旭山動物園で飼育している動物でいえばアムールヒョウやアムールトラ、ボルネオオランウータンなど、飼育種のおよそ2割20種の絶滅が心配されています。

現在、動物園で飼育している動物たちは自然界でつかまえて連れてきたのではなく、そのほとんどが動物園で生まれた命です。動物園では昔から計画的に動物たちの繁殖を行い、飼育している「種」を何世代にもわたり飼育して「種の保存」の場としての役割を担ってきました。日頃から飼育や繁殖の技術をみがき、他の飼育施設と繁殖を目指して動物を交換したり、情報を共有したりして、「種」の維持に努めています。

「種」は絶滅したら元に戻せない

近年、旭山動物園ではアムールヒョウやユキヒョウ、レッサーパンダ、シマフクロウ、クマタカなどの繁殖に成功しました。もし「種」が絶滅した、または絶滅寸前であったとしても、生息環境が整えば、動物園で繁殖した動物を野生にもどすことで、野生の群れを立て直す、という1つの手段になるかもしれません。

ユキヒョウの子

「種」は絶滅してしまうと元にもどすことはできません。これまでも多くの「種」が人の手によって絶滅してしまいました。できるだけ多くの「種」がこれからも共に生き続けられる豊かな地球であるために、絶滅の心配のある動物だけではなく、全ての動物に対して動物園として取り組める「種の保存」に、これからも力を注いでいきます。

あさひやまニュース

「旭山動物園内に走る絵本の世界が!」

11年間、旭川と札幌を結んだ列車「旭山動物園号」が平成30年に引退しました。園内に「旭山動物園号」の世界を再現したいとNPO法人旭山動物園くらぶがクラウドファンディングを企画し、目標を達成しました!

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q.日本でホッキョクグマを飼育している動物園は何カ所ですか。

A.動物園、水族館合わせて21園館です。日本で飼育しているホッキョクグマの数は、どんどん少なくなっています。そこで飼育園館が協力して、繁殖を目指したホッキョクグマの移動、ペアリングを行い、繁殖できるようにがんばっています。

 


旭川市 旭山動物園

旭川市東旭川町倉沼
TEL.0166-36-1104
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

協力・監修/旭川市 旭山動物園

この記事を書いた人WRITER
エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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