【円山動物園だより】絶滅の危機!「二ホンザリガニ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
北海道
動物園だより
2023.04.10

【円山動物園だより】絶滅の危機!「二ホンザリガニ」

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ニホンザリガニ

十脚目/アジアザリガニ科
【生息地】北海道全域と青森、岩手、秋田の一部

円山動物園にはオス6頭、メス8頭、不明31頭がいます。

絶滅の危機!

ニホンザリガニは、北海道と東北の一部に生息している在来種です。日本には他にアメリカザリガニとウチダザリガニが生息していますが、どちらも外来種です。他の2種に比べて体が小さく、体長は4~6cmほど。体は赤茶色をしています。冷たくてきれいな川や湖などでしか生きることができません。

ニホンザリガニは、今絶滅が心配されています。昔は全道で生息が確認されていましたが、現在は一部の川や湖でしか確認されていません。原因はいくつかありますが、大きな原因の1つがウチダザリガニです。ウチダザリガニの体長は約15cmと大型で、ニホンザリガニも食べてしまいます。一度に産む卵の数は、ニホンザリガニが約50個に対して、ウチダザリガニは約200~500個と繁殖力がとても強いのです。さらに、ウチダザリガニが持っている水カビ菌により、ニホンザリガニが死んでしまうと考えられています。

ニホンザリガニプロジェクト

円山動物園では、ニホンザリガニを守るためのプロジェクトを2009年から行っています。生態など分からないことが多いため、日々の飼育を通じて研究をしています。最終的な目標は飼育下で増やして野生にかえすことですが、簡単なことではありません。水温を季節ごとに調節したり、相性の良いペアを探して繁殖したりしても、大人になるまで成長するのはわずかです。また飼育下で育った個体が、野生で生きていけるのかも調べなければなりません。ニホンザリガニのガイドを月4回程度行っていますので、ぜひ参加してみてください。


3カ間お腹に卵を抱えます

 


動物園の飼育設備

 


豊平川で確認されたウチダザリガニ

まるやまニュース

めざせ!ベテラン飼育員

4月19日は「419(しいく)」の数字にちなんだ「飼育の日」。4月15日(土)~23日(日)に、動物園の各獣舎をマスにした巨大すごろくを行うよ。動物の飼育について楽しく学びながら、ベテラン飼育員を目指そう!みんなからの質問に飼育員が答えるコーナーもあるよ。(※質問募集は終了)

>>>くわしくはこちら

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

質問

飼育するなかで、一番大変だったことは?

答え

一番大変だったことは、チンパンジーの仔を人工保育したことです。ヒトに育てられた動物は家族や群れにもどることが難しくなります。このときは群れにもどすまでの5年間の計画を立てました。動物園職員や他のチンパンジーたちの協力があり達成できました。担当する動物が繁殖することはうれしい反面、無事育ってくれるかなど、生涯を責任もって見守ることが大変ですが、やりがいがあり魅力のある仕事です。


札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1
TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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