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2025.11.10

【エコチル特集】地域脱炭素って、何だろう?

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地域脱炭素は、町や村などの地域ごとに、再生可能エネルギーなどの自然の力を使って電気をつくり、CO₂を減らす取り組みです。ここでいっしょに、地域脱炭素について学びましょう!

地球温暖化を防ぐため地域が力を合わせる!

日本では地球温暖化を防ぐために、2050年までにCO₂などの温室効果ガスをゼロにする「2050年カーボンニュートラル」という大きな目標を立てています。さらに、2030年までに2013年と比べてCO₂を46%減らすという目標も掲げています。これらを達成するには、国だけでなく、町や村などの地域も力を合わせていくことがとても大切です。

そのために「地域脱炭素」という取り組みが始まっています。太陽光、風力、水力といった再生可能エネルギーの活用が主な取り組みで、これらが全国に広がることを目的とした「地域脱炭素ロードマップ」という計画も作られています。

全国に広まる地域脱炭素の取り組み

地域脱炭素を推進することで、CO₂を減らすだけでなく、地域の暮らしが良くなったり、町が災害に強くなったり、地域に良い影響も生まれます。一方で、小さな町では資金や人手が足りなかったり、再エネの設置でトラブルが起きたりする課題もあります。こうした問題を解決するために、新しい技術開発も行われています。

これから2026年〜2030年の5年間は、全国で脱炭素の取り組みがさらに広がっていきます。みなさんの住む地域で行われている未来の地球を守るためのチャレンジに、ぜひ注目してみてください。

地球温暖化によってさまざまな気候変動問題が起こっています。

気温上昇による熱中症・死亡リスク

産業への影響(リンゴの着色不良)

豪雨の頻発、台風の強大化

自然生態系への影響(サンゴの白化)

再エネ導入には注意が必要

土砂くずれなどによって太陽光パネルが流出した
太陽光パネルの設置で景観が乱されている
風力発電施設で希少猛禽類のバードストライクが発生した
など

全国に広がる脱炭素先行地域

脱炭素先行地域づくりも全国で進んでいます。脱炭素先行地域とは、2030年度までに、民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費にともなうCO₂排出の実質ゼロと地域課題解決を同時に実現する地域のことで、2025年9月末時点で87提案で取組を実施しています。

世界に貢献する自治体の取り組み

脱炭素化に取り組む自治体の中には、他国の都市や地域の脱炭素化に協力するケースも生まれています。

1.  横浜市(×タイ・バンコク都)
政府から環境未来都市として選定されている横浜市では、タイ・バンコク都と、2013年に持続可能な都市発展に向けた技術協⼒の覚書を締結。2023年には横浜市主催の国際会議「アジア・スマートシティ会議」にて、脱炭素化に向けた共同宣言を行いました。

2. 北九州市(×インド・テランガナ州)
「エコタウン事業」に認定され、リサイクルシステムの構築や産業廃棄物対策など、資源循環の先進的な取り組みを推進している北九州市。2023年にインド全土で廃棄物処理事業を展開するラムキーグループと連携協定を締結しました。

3. 浦添市(×パラオ・アイライ州)
分散型エネルギーシステムを導入するなど、脱炭素化に向けた独自の取り組みを進めている浦添市は、2022年度からパラオのアイライ州における脱炭素化の取り組みをサポート。リゾートホテルの施設への太陽光発電設備の導入計画が進行中。

地域脱炭素化促進事業とは?

地域脱炭素化促進事業とは、太陽光、風力などの再生可能エネルギーを利用した発電施設や熱供給施設と共に、地域の脱炭素化のための取り組みを行う事業。再生可能エネルギー施設の整備と、地域の環境保全の取り組み、地域の経済、社会の持続的発展のための 取り組みも行います。

地域脱炭素化促進事業

地域脱炭素化促進施設の整備
再エネを利用した地域の脱炭素化のための施設(発電施設・熱供給施設)です。

地域の脱炭素化のための取り組み
地域脱炭素化促進施設の整備を通じて得られたエネルギーや利益等を地域において活用し、脱炭素社会の実現に貢献する取り組みです。

地域の環境の保全のための取り組み
再エネ施設の整備とあわせて、豊かな自然環境や動植物の生息・生育環境を保全したり、景観への影響を最小限にと留めたりする取り組みです。

地域の経済および社会の持続的発展に資する取り組み
再エネ施設の整備とあわせて行う、地域の活性化や災害時のエネルギー確保など、地域課題の解決に貢献する取り組みです。

出典:環境省『地域共生再エネスタートアップリーフレット』


監修:環境省 大臣官房地域政策課

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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