
目次 [非表示]
旭山動物園の獣医師・佐藤伸高さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです。
今月のどうぶつ:エゾライチョウ
キジ目 キジ科
【生息地】スカンジナビア半島から朝鮮半島までのユーラシア大陸北部、北海道
旭山動物園ではオス1羽、メス1羽、今年生まれのヒナ1羽(性別不明)を飼育しています。
身近な野鳥
エゾライチョウは日本では北海道にのみ生息するライチョウの仲間で、旭川では動物園の近くの山でも見られる身近な野鳥です。体の大きさはずんぐりとしたハトくらいです。オスとメスはほとんど同じに見えますが、オスの方が体が大きく、のどには黒い部分があります。メスにはこの黒い部分がありません。本州中部の飛騨山脈(北アルプス)に生息するライチョウは、冬になると羽毛の色が白く変化しますが、エゾライチョウは羽毛の色が変化しないのが特徴です。
野生では、木の芽や葉、種を食べていると考えられています。動物園ではいろいろな種を混ぜた物、小松菜の細切れ、ゆで卵の黄身の部分などをあたえています。えさを用意するとツンツンとついばんで食べます。
春になると地面に巣を作り産卵し、メスだけが抱卵をします。卵には特徴的な薄茶色のまだら模様があります。卵は抱卵から23日くらいでふ化し、その後すぐに歩き出し、自分でえさを食べ始めます。
ずんぐりしたハトくらいの大きさ
ヒナが成長中!
旭山動物園ではオスとメスのペアを飼育していて、5月中旬頃にメスが巣に産卵を始め、10個の卵を産みました。メスは順調に抱卵をしていたのですが、残念ながら途中で抱卵を中止してしまいました。そこで飼育係が卵をふ卵器(卵を温める機械)に入れたところ1羽がふ化しました。ヒナは現在も元気に成長しています。
エゾライチョウの生息数はあまり分かっていませんが、今すぐ絶滅する危険は無いと考えられています。身近な野生動物であるエゾライチョウ。みなさんも登山のときなどに出合うかもしれません。動物園では地面にいることが多いので、展示場の地面をよく探すと見つけられると思います。
6月にヒナが誕生!
ヒナが元気に成長中
あさひやまニュース
シロテテナガザルのミールが来園
7月に神戸市王子動物園より、オスのシロテテナガザルのミールが来園しました。とても体が大きく立派な個体です。メスのモンローと繁殖を目指しています。
教えて! 飼育員さん
飼育員さんが、みんなからの質問に答えます!
質問
飼育員さんは1日どんなスケジュールでお仕事していますか?
答え
朝、担当動物の獣舎に行き、動物の健康チェックをしてから朝のえさの用意、動物を放飼場に移動します。その後、寝室の掃除をします。日中は定期的に動物の様子を見に行き、えさをあたえます。お客さんへのガイドも大事な仕事です。夕方、えさを寝室に用意してから動物を寝室に収容します。
協力・監修:旭川市 旭山動物園
旭川市 旭山動物園
旭川市東旭川町倉沼
TEL. 0166-36-1104
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。