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2014年に一般開放された“小網代の森”を訪れたことはあるかな? そこにはたくさんの生き物が暮らし、多様な環境が残されているんだ。そんな小網代の森について紹介していくよ!
小網代の森に残る多様な自然環境
小網代の森は関東地方で唯一、集水域の森林、河川、干潟が開発されずに連続して残されている自然環境といわれていて、海からその全貌を見ることができるよ。面積は約70haあり、約2500種にものぼる多くの生き物がすんでいるんだ。
中でも、小網代の森といえば、“アカテガニ”があげられるよ。カニの多くは海辺や川辺に生息しているけれど、アカテガニはなんと森の中で生活。森のいろいろな所で小さな丸穴のすみかを見ることができるよ。
また、夏の大潮の晩には、母ガニはいっせいに海岸におし寄せ、お腹にかかえた幼生(ゾエア)を海に放つよ。これを産卵ではなく、放仔といい、幼生は1カ月ほど海で育ち、子ガニとなって陸に上がって生活を始めるよ。そのため、アカテガニは小網代の森のように森と海が一体となった自然環境が必要になるんだ。
小網代の森のこれまで
現在、多くの生き物が暮らす小網代の森だけど、かつて小網代の森とその周辺地域には大規模な開発計画が持ち上がったこともあるんだ。しかし、貴重な自然環境であることが再認識され、平成9年に、県が緑地の買い取りを進め、保全の歩みが始まったよ。
現在、湿地の再生や外来種の除去など、小網代の森を次の世代に残そうと、神奈川県や三浦市、公益財団法人かながわトラストみどり財団、NPO法人小網代野外活動調整会議が協力して環境保全に取り組んでいるよ。みんなも小網代の森を守る活動を応援してね!
小網代の森へのアクセス
京浜急行久里浜線終点三崎口駅から徒歩約30分、または①番・②番バス乗り場乗車、「引橋」下車徒歩約5分、または「シーボニア入口」下車徒歩約15分
※駐車場は引橋バス停近く、三浦市民交流拠点駐車場をご利用ください。
画像提供:株式会社アスコット
神奈川県の自然を守る!かながわトラストみどり基金とは?
「かながわトラストみどり基金」
「かながわトラストみどり基金」とは、神奈川県内の優れた自然環境や歴史的環境を保全し、緑豊かな神奈川を次の世代へ引き継いでいくために必要な資金を積み立てることを目的に、昭和61年(1986年)に設置された基金だよ。小網代の森以外にも鎌倉市にある広町緑地や大磯町にある大磯こゆるぎ緑地などの緑地もこの基金で買入れを行っているんだ。
かながわトラストみどり基金で保全しているよ!
長者ヶ崎緑地
横須賀市と葉山町の境にある細長いみさきが長者ヶ崎緑地だよ。南側は岩礁海岸で、北側は砂浜が連なり白いがけをながめることができ、海へ突出する細長いみさきと海が織り成すロケーションは「かながわの景勝50選」に選ばれているんだ。
葉山滝の坂緑地
葉山町で1番広大な面積を有しているよ。住宅地の急坂の中に緑地があり、葉山町の市街地の中にあるみどりとして機能しているんだ。
小綱代の森を知ろう!
団体で小網代の森を利用される場合は、事前(1カ月前を目途)にNPO法人小網代野外活動調整会議(045-540-8320)及び横須賀三浦地域県政総合センターみどり課(046-823-0210)までご連絡ください。
小網代の森に暮らす動植物
アカテガニ
森や湿地に暮らす陸生のカニだよ。産卵(放仔)には海に下りる必要があるため、森-川-海のつながりが必要なんだ。
チコガニ
白いハサミをふり上げ、かわいらしいダンスで求愛やなわばり宣言をする、干潟を象徴するカニだよ。
ノコギリクワガタ
カブトムシと並び、子どもたちから絶大な人気をほこるクワガタムシ。国内に広く分布しているよ。
ハマカンゾウ
海岸性のキスゲの仲間。東日本大震災で海岸の生息地が破壊されたものの、NPOにより保護増殖が進んでいるよ。
モンキアゲハ
日本最大級のチョウで、関東以西に生息する南方系のチョウ。幼虫はサンショウ類などの植物が食草だよ。
ジャヤナギ
本州から九州の湿地に生える落葉広葉樹で雌雄異株だけど、雌株だけが知られているよ。
アカテガニ以外の写真提供:NPO法人小網代野外活動調整会議
※動植物を採取したり、傷つけたりはしないでください。
協力:神奈川県
エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。