【野毛山動物園だより】名前が教えてくれること「オーストラリアガマグチヨタカ」|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
横浜
動物園だより
2025.06.02

【野毛山動物園だより】名前が教えてくれること「オーストラリアガマグチヨタカ」

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今月のどうぶつ:オーストラリアガマグチヨタカ

学名:Phascolarctos cinereus
ヨタカ目 オーストラリアガマグチヨタカ科
生息地:オーストラリア全域

~野毛山動物園の オーストラリアガマグチヨタカ~

1才のメスは警戒心が強く、ねているはずの日中も来園者を観察していることがあります。4才のオスは今年5月に埼玉県こども動物自然公園との交換でやってきました。今後、2羽がペアとなり、繁殖が期待されています。

名前が教えてくれること

オーストラリアガマグチヨタカはオーストラリア全域に生息し、お財布の“ガマグチ”のような大きな口を持つ、夜行性(ヨ)の鳥です。しかし、残念ながらタカの仲間ではありません。見た目はタカよりフクロウに似ていますが、フクロウの仲間でもありません。

2種類とも夜行性で、生活スタイルが似ていることから、似たような形態に進化しました。このように、遠い関係の種の姿が似ることを収斂進化と呼びます。魚類のサメと哺乳類のイルカが似ているのがそれです。

昼は丸くなってねる フクロウに似た姿

武器は「なりすまし」

オーストラリアでは、市街地や民家の庭でも見られる一般的な鳥ですが、かんたんに見つけられる訳ではありません。なぜなら彼らは擬態の名人だからです。体をのばしほっそりとさせ、枝になりきります。逆にいうと、強い武器を持たず、天敵への対抗手段がこれだけなのです。

警戒心がうすいのか、自分の擬態を心底信じているのかは分かりませんが、健康診断などでつかまえるときもそっと後ろからかかえるだけで充分です。野生では、巣を作る大木が減り繁殖に失敗したり、えさの虫を追って交通事故にあったりすることもあります。この平和的な鳥がいつまでものんびり暮らせる環境であってほしいです。

つかまえられても無抵抗 擬態している様子

のげやまニュース

※写真は昨年の様子です。

七夕かざりを見に行こう

野毛山動物園では、6月24日(火)~7月6日(日)まで、フンボルトペンギン展示場横の屋内休憩所を七夕飾りでいろどります。短冊をご用意していますので、みな様も動物たちへの願いごとを書いて飾ってください。野毛山動物園で働く職員の願いごとも見られるかもしれませんよ。


写真提供野毛山動物園

協力 ・ 監修/野毛山動物園【指定管理者 公益財団法人横浜市緑の協会】
〒220-0032 横浜市西区老松町63-10
TEL 045-231-1307
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/

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エコチル編集部

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