【ふじのくに地球環境史ミュージアムだより】静岡でお馴染みの「ながらみ」|ダンベイキサゴ|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
静岡
動物園だより
2025.06.02

【ふじのくに地球環境史ミュージアムだより】静岡でお馴染みの「ながらみ」|ダンベイキサゴ

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今月のどうぶつ:ダンベイキサゴ

学名: Umbonium giganteum
古腹足目 ニシキウズガイ科
生息地:本州、四国、九州の浅い海の砂底

貝がらのはばは4㎝程度。表面はツルツルで、さまざまな模様のものがいる。

静岡でお馴染みの「ながらみ」

「ながらみ」を食べたことはありますか? 塩ゆでにして、からの口からつまようじで身をつきさし、くるくるっと回しながら身を取り出して食べる、おいしい巻貝です。最後まで切れずに身を取り出せるとうれしい気持ちになります。昔は子どもがおやつとしてよく食べていたそうですが、みなさんはどうでしょう?

この「ながらみ」ですが、図鑑にはダンベイキサゴという名前でのっています。からの模様には変化があり、らせん状に帯があるもの、青黒いもの、緑色っぽいもの、白いもの、桃色のものなどさまざまで、食べながら見比べるのも楽しいものです。

いろいろな模様の貝殻

化石で分かる進化の歴史

掛川地域には「掛川層群」と呼ばれる貝化石の多い地層があります。300万年から200万年前の地層からはスウチキサゴという貝がらにいぼのような出っ張りがあるゴツゴツした貝が見つかっています。180万年前から100万年前にはこの出っ張りが弱くなったサブスウチキサゴという貝に移り変わりました。

この2種類の貝はダンベイキサゴの祖先と考えられていますが、今のダンベイキサゴのからには出っ張りはなく、表面はツルツルとしています。このような表面の進化は、すんでいる海の環境の変化によるものと考えられています。化石から、当時すんでいた場所の環境や進化の歴史を知ることができるのです。

化石種スウチキサゴ(左)とサブスウチキサゴ(右)

ふじのくに地球環境史ミュージアムだより

標本サファリ

私たちが自然について学び、その知識を引きつぐためには標本が必要になります。「ふじのくに地球環境史ミュージアム」には多くの標本が集められ、大切に保管されています。今回の特別展では骨格や剥製として保存している哺乳類標本を取り上げ、地球上のあらゆる環境にすんでいる哺乳類の特徴を紹介する企画展です。


写真提供:ふじのくに地球環境史ミュージアム

協力・監修/ふじのくに地球環境史ミュージアム
静岡県静岡市駿河区大谷5762
TEL:054-260-7111
HP:https://www.fujimu100.jp/

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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