【エコチル特集】知っているかな?外来種のこと|地球にやさしい子ども達を育む環境教育メディア  
相模原
特集
2025.05.01

【エコチル特集】知っているかな?外来種のこと

目次 [非表示]

みんなは外来種について考えたことはあるかな?私たちの暮らしや生態系にさまざまな影響をあたえる外来種について、いっしょに見てみよう。

外来種って何だろう?

外来種とは、もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって他の地域から入って来た生物のことをいうよ。海外から日本に持ちこまれた生物のことを表すと思われがちだけれど、例えばカブトムシのように、本来は本州よりも南にしか生息していない生物が北海道に入って来るなど、日本国内のある地域から、もともといなかった地域に持ちこまれる場合も外来種になるんだ。

海外から持ちこまれた生物を国外由来の外来種といい、日本国内でもともといなかった地域に持ちこまれた生物を国内由来の外来種というよ。日本に生息する国外由来の外来種は、約2000種にもなるんだ。ペットや展示用、食用、研究などの目的で輸入されたり、荷物や乗り物にまぎれこんだりして持ちこまれた生物がたくさんいるんだって。

生物多様性をおびやかす侵略的外来種

外来種の中には、地域の自然環境に大きな影響をあたえ、生物多様性をおびやかすおそれのある侵略的外来種がいるよ。例えば、小笠原諸島は独自の進化をとげてきた固有生物の宝庫なんだけど、そこに外国のトカゲのグリーンアノールが持ちこまれ、もともと小笠原にいた昆虫の多くが食べられてしまっているんだ。

「侵略的」というと、おそろしい悪い生物なのかなと思われがちだけど、その生物自体がおそろしいわけではないよ。持ちこんだのは人間で、その場所で大きな影響を引き起こす原因になってしまったということなんだ。

外来種にはさまざまな問題があるよ。みんなも外来種について考えてみてね。

国外由来の外来種と国内由来の外来種

●国外由来の外来種とは…
海外から日本に持ちこまれた生物

●国内由来の外来種とは…
日本国内のある地域から、 もともといなかった地域に持ちこまれた生物

参照:環境省HP「日本の外来種対策」

外来種はどんな問題を引き起こすの?

生態系への影響
外来生物が、もともとその地域にすんでいる生き物を食べたり、すむ場所をうばったりして、生き物を絶滅させ、生態系のバランスをくずしてしまう。

人の命や健康への影響
外来生物の中には毒を持っているものもいて、人がかまれたり、さされたりする危険がある。

農作物への影響
畑をあらしたり、農作物を食べてしまったりする外来生物がいる。農業や漁業に悪い影響をおよぼすことがある。

参照:環境省HP「知っているかな?外来生物。」

相模原市内で注意が必要な特定外来生物

外来生物の中でも特に大きな影響をおよぼすといわれる特定外来生物。特定外来生物は生きたまま移動させることや飼育などが禁止されているよ。

セアカゴケグモ
ハイイロゴケグモ

写真提供:環境省

セアカゴケグモはオーストラリア原産。ハイイロゴケグモは亜熱帯地方原産。どちらも成体で0.7mm~1cmほどと小さいよ。メスのみが毒を持っており、攻撃性は無いけれど、さわるとかまれることがあるので注意しよう。

オオキンケイギク

原産地域は北アメリカ。5~7月ごろにかけて、あざやかな黄色い花を付けるよ。きれいな花だからと庭や花壇に植えないようにしよう。日本の生態系に重大な影響をおよぼすおそれがあるとして、特定外来生物に認定されているよ。

クビアカツヤカミキリ

写真提供:埼玉県環境科学国際センター

原産地は、中国、台湾、朝鮮半島、ベトナム北部など。長い触角を持ち、胸が赤く、体はつやのある黒色。サクラ、ウメ、モモなどの樹木に寄生し、木を枯らしてしまうことも。幼虫が寄生すると、特徴的な木くずが出るよ。

クリハラリス

写真提供:相模原市立博物館

アジア南部(台湾、中国南部からマレー半島など)に広く分布。緑地の木々の樹皮が食害されたり、電線がかじられたり、といった被害が出ているよ。野鳥の巣がおそわれることで、メジロなど野鳥の数が減少することが心配されているよ。

アライグマ

写真提供:環境省

北アメリカ~中央アメリア原産。毛は灰色で、ひげが白く、尾にしま模様があるよ。民家に侵入したり、感染症をもたらしたり、ビニールハウスをこわしたりと、人体や農林水産被害を出すおそれがあるんだ。

外来種被害予防三原則

 外来生物の被害を防ぎ、これ以上増やさないために、できることを知ろう。

[入れない!]
もともとすんでいる場所以外に、持ちこまないようにしよう。海外に行ったときには、生き物を持ち帰らないようにしよう。

[捨てない!]
外来生物を飼っている場合は、自然の中ににがしたり捨てたりしないようにしよう。特定外来生物は原則として飼育禁止だよ。

[拡げない!]
外来生物を、運んだり、移動させたりして、他の地域に拡げないようにしよう。

2023.6.1(木)から条件付特定外来生物に指定
アメリカザリガニ・アカミミガメを 飼ってもいいの?

条件付特定外来生物に指定されるアメリカザリガニと アカミミガメを飼育するときに、注意することを確認しよう。

※アカミミガメ…ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)・キバラガメ・カンバーランドキミミガメの3亜種が対象

[手続きなしでできること]
一般の人がペットとして飼育する。
水族館や学校等ではにげ出さないような施設で飼育する。
飼えなくなった場合などに、責任を持って飼える人に無償でゆずったり、ゆずり受けたりする。

[法律で禁止されていること]
● 生きた個体を野外ににがしたり、放したりする。適切な飼育を行わずに、にげ出したりした場合も違法となる。
●生きた個体の輸入、販売、購入。販売などを目的とした飼育。
● 無償でも生きた個体を広く配る。
● 冷凍や加工などをして販売するために繁殖する。

>>> 環境省HPも見てね!

5月22日は国際生物多様性の日
生物多様性について考えてみよう

地球には、3,000万種ともいわれる多様な生き物がいるんだ。ゾウのように大きなものから細菌のように小さなものまで、いろいろな生き物がいて、おたがいつながり合い、支え合って生きているよ。生物多様性とは、生き物が暮らす環境がさまざまあり、その中で多種多様な生き物がおたがいつながり影響し合って、個性豊かに生命を育んでいること。

私たちの暮らしは、食べ物や衣服、飲み水など、いろいろな形で生き物からのめぐみに支えられているよ。

 

生物多様性を守るために「MY 行動宣言」をしよう!
>>> くわしくはこちら

 


監修:相模原市水みどり環境課

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エコチル編集部

エコチルは、地球環境保全に取り組む子ども達を育むとともに、学校や家庭でのエコライフ推進を目的としたメディアです。

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